[最終更新日 : 2023年7月16日]
新規がん患者さんの3人に1人は就労世代
日本では毎年、およそ100万人の方が新たにがんと診断され、その3人に1人は20~64歳の就労世代です。今後、定年延長や再雇用によって「働くがん患者さん」の数はさらに増えていくといわれています。
がんは、「誰もが罹患する可能性のある、長く付き合う疾患」と考えます。がんとの共生が、これからのあるべき姿となっています。
がんと診断されて
がんと診断されて、不安や悩みを抱え込んでしまう方は少なくありません。みなさん同じように悩まれています。
情報を共有しているサイトがありますので、ご活用ください。
職場には病名をオープンにしましょう
病名は上司や同僚に報告、相談することがとても大切です。治療中であることを隠して働き続けることはおすすめできません。
病名をオープンにすることで、職場で利用できる就労サポート(有給休暇、休職期間の長さ、傷病手当など)について相談しましょう。事前に、当センターのがん相談支援センターに相談されるといいと思います。また、お近くの社会保険労務士や都道府県労働局の総合労働相談コーナーなどでも相談にのってもらうことも出来ます。
診断時に働いていた職場や仕事上の関係者にがんと診断されたことを話した人
(がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) 81.0% 85.8% 95.3% 79.9%
設問内容 | 全体結果 | 希少がん | 若年がん | 一般患者 |
---|---|---|---|---|
職場や仕事上の関係者から治療と仕事を両⽅続けられるような勤務上の配慮があったと思う人 (がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) |
65.0% | 69.8% | 68.6% | 64.5% |
治療と仕事を両立するために社内制度を利用した人 (がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) |
36.1% | 34.0% | 51.4% | 35.5% |
治療開始前に就労の継続について医療スタッフから話があった人 (がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) |
39.5% | 36.6% | 54.9% | 38.9% |
がん治療のため、退職・廃業した人 (がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) |
19.8% | 19.6% | 20.5% | 19.8% |
がん治療のため、休職・休業したと回答した人の割合 (がん診断時に収入のある仕事をしていた人のみ) |
54.2% | 54.3% | 57.1% | 54.0% |
仕事は続けましょう
治療には、身体的負担だけでなく経済的負担もかかることがあります。医療費や治療中の生活費のために、収入を維持することはとても大切です。このために職場とよく相談することが大切です。仕事は辞めないで、できるだけ続けるようにしましょう。
仕事を持ちながらがんで通院している方
担当医にも相談しましょう
仕事と治療を両立させるために、職場の状況や通院しやすい時間、曜日など気軽に相談しましょう。可能な限り、さまざまな負担を減らしながら治療を継続していくことが大切だと思います。我々も患者さんとご家族の就労サポートを行っていきたいと考えております。
利用できる公的支援制度を知りましょう
お金にまつわる心配を抱えたまま治療を続けることは、心身の大きな負担となります。相談窓口や公的制度を利用して具体的に解決できることから一つひとつ、対処していきましょう。
「がん制度ドック」「知っておきたい!がんの支援制度」でも解説しているので参考にしてください。