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ストーマ外来について

[最終更新日 : 2021年3月29日]

ストーマ造設後の生活について

ストーマ外来について
ストーマが造設されると、手術前のようにご自分で排泄をコントロールすることがができなくなり、初めはさまざまな場面で不自由を感じたり、初めて体験をする状況に戸惑われたりすることもあると思います。
ストーマは日常生活を過度に制限するものではありません。ストーマ造設後も多少の制限は必要となりますが、手術前と変わらない生活・活動が可能となります。
暮らしの中で知っておきたい情報をまとめました。少しでもお役に立てると幸いです。

食事について

ストーマを造設した後も、特別な食事制限はありません。
暴飲、暴食は避け、バランスの良い食事を心がけてください。
※アルコールの摂取は主治医にご相談ください。
※糖尿病、高血圧、脂質異常症、心臓病、腎臓病等の持病があり、食事制限が必要な場合はそれら疾患に対する食事療法の継続が必要です。

結腸(大腸)ストーマの方

バランスの良い食事を心がけてください。よく噛んで食べてください。
手術後3~4か月は便の性状が不安定になります。手術前の排便性状に戻るまでには半年程度かかります。

回腸ストーマの方

1日に1~2Lの水様の便がでるため、脱水に注意が必要です。排便量に応じ1~2Lの水分摂取を心がけてください。
水の他に電解質を補充できるスポーツドリンク類・味噌汁・スープ・ジュースも飲むようにしましょう。
※心臓病・腎臓病等の持病があり、水分制限が必要な場合はそれら疾患に対する水分制限が必要になります。主治医にご相談ください。

フードブロッケージの予防

フードブロッケージとは『小腸は大腸より消化管内径が狭いため、消化が悪い食品を大量に摂取した時に便が詰まり、腹痛、吐き気、嘔吐、おなかが張る等の症状が出る現象』のことです。
消化が悪い食品は一度に大量に摂取せず、小鉢に1杯程度、細かく刻み摂取するようにしましょう。

消化の悪い食品 こんにゃく類・海藻類(ワカメ・昆布)・キノコ類・もやし・とうもろこし・ナッツ類・人参・ごぼう・豆類・玄米・雑穀類・繊維の多い果物
便が硬くなりやすい食品 米飯・うどん・パンなどの主食類・くず湯
便が緩くなりやすい食品 アルコール類・果物・果物(ブドウ・みかん、もも等)・生野菜(トマト・キャベツ等)・香辛料等から身の強い食品・脂質の多い食品・キシリトール等の甘味料を含む食品
ガスが多くなる食品 炭酸飲料・ビール・イモ類・豆類・甲殻類・貝類・ごぼう
ガスの発生を抑える食品 ヨーグルト等の発酵食品
便や尿のにおいが強くなる食品 ニンニク・アスパラガス・にら・ネギ類・チーズ・卵・豆類・ビール

服装について

ストーマを圧迫しないような衣類であれば特別な制限はありません。

チュニックやカーディガン等の羽織物、ギャザースカート、テーパードパンツ等、ウエスト部分にゆとりがあるタイプの衣類はストーマ装具が目立ちません。
ストーマがベルトの高さにあるときはサスペンダーを使用しましょう。
身体にフィットする服装をする場合は専用の腹巻等を使用すると外観に響きにくくなります。
ストーマ専用の下着もあります。市販の下着に穴をあける等の工夫もできます。ほつれ止めテープを使用すると便利です。

入浴について

ストーマ造設後も入浴・シャワーは可能です。
チューブが挿入されているストーマ以外はストーマ装具を外して入浴が可能です。
ストーマ装具を外して入浴しても、水圧より腹圧のほうが高いため、ストーマからお湯は入りません。
ストーマ粘膜を保護するため、熱い湯は避けてください。
ストーマ装具を付けたま入浴する時は事前に、便、ガスを破棄しましょう。
袋をたたみ、テープやクリップで固定すると浮きにくくなります。

消化器系ストーマ

ストーマ装具を装着したままでも、外しても入浴可能です。
排泄量の少ない、食事前、食後2時間以上あけた時間に入浴すると安心です。
※装着のまま入浴する場合、防水フィルターが同梱されているストーマ装具は脱臭フィルターに防水シールを貼って、入浴してください。
ホリスター社・ダンサック社のストーマ装具はフィルターが防水処理されているので、そのまま入れます。
※装着のまま入浴する場合、防水フィルターが同梱されているストーマ装具は脱臭フィルターに防水シールを貼って、入浴してください。ホリスター社・ダンサック社のストーマ装具はフィルターが防水処理されているので、そのまま入れます。

尿路系ストーマ

チューブを留置している尿管皮膚瘻の方はストーマ装具を装着したまま入浴してください。
回腸導管は、ストーマ装具なしで入浴可能です。
ストーマ装具なしで入浴する時はお椀等をストーマにかぶせるとお湯を汚しません。

公衆浴場・温泉の場合

公衆浴場・温泉ではマナーを守り、ストーマ装具を装着して入浴してください。泉質や温度によっては粘膜刺激があるため、必ずストーマ装具を装着し入浴してください。
公衆浴場・温泉等人目が気になるときは、目立ちにくくするカバーフィルム・入浴用ストーマ装具等もありますのでご相談ください。
浴室のゴミ箱などに排泄物の入ったストーマ装具は捨てずに持ち帰る、または所定の場所に捨ててください。

排泄物・使用後のストーマ装具の処理について

排泄物の処理

公共施設等にオストメイト対応の多目的トイレがあります。
数は増えてきましたが、どこにでもあるわけではありませんので、ご家庭のトイレで破棄できるようにしましょう。

使用後のストーマストーマの処理方法

  1. ストーマの種類にかかわらず、ストーマ袋内の排泄物をトイレに破棄します。できるだけ袋に排泄物が残っていない状態にします。
  2. 皮膚保護材が内側になるようたたみ、密着させます。
  3. 新聞紙等で包みポリ袋に入れ空気を抜いて密閉します。
  4. お住まいの自治体のごみ分別に沿い、破棄します。

外出先での使用後のストーマの処理方法について

公共のトイレ等で使用後のストーマ装具を破棄できない場合は、自宅に持ち帰り破棄してください。
外出時は臭いを遮断できる厚めのジッパー付き袋、不透明なポリ袋または、おむつ等の破棄専用の防臭ゴミ袋を用意しておきましょう。

外出・旅行について

体力回復に問題が無ければ制限はありません。

外出

外出時は必ず予備のストーマ装具1組、『水なしで交換できる物品※』を携帯しましょう。
※災害時対応の項で説明しています。

旅行

旅行期間より2~3回分多く、海外の場合は2~3倍の数量を準備しましょう。
スーツケース紛失時にそなえ、手荷物でも持ち込みましょう。
不測の事態に備え、健康保険証、身体障碍者手帳を携帯、製品名・製品番号が分かるようメモや説明書を持参しましょう。
旅先での就寝に備え防水シーツを持参すると安心です。

海外旅行の場合

現地のトイレ事情を事前に調べておきましょう。
ストーマ装具は一か所にまとめず、分散可能ならば同伴者の荷物にも保管してもらいましょう。
ストーマ装具が不足した場合に備え、渡航先で購入できる場所・方法を調べておきましょう。
時差や食事内容の違い、環境変化による便秘や下痢など便性状が不安定になることもあります。食事の調整等で変化に対応できるようにしましょう。

車での移動

高温になるとストーマ装具の変形等が起こるため、トランク、直射日光が当たる場所にストーマ装具は置かないようにしてください。
あらかじめ道中のパーキングエリアなどを排泄物の破棄・ストーマ装具交換ができる場所を確認しておきましょう。オストメイト対応トイレの検索サイト、検索アプリ等を活用ください。

「オストメイトJP」へリンク

飛行機での移動

機内にはさみの持ち込みはできないため、ストーマ装具は事前にカットしておきましょう。
離陸後は気圧の影響でストーマ袋内の空気が膨張するため、搭乗前に排泄物を破棄しておきましょう。
消化管ストーマの方はガス抜きフィルター付きストーマ装具を利用してください。
長時間の移動時には、尿路系ストーマ、回腸ストーマの場合はドレナージバックを使用すると安心です。

運動について

開始時期は主治医と相談が必要となります。体調に合わせてご相談ください。
強い腹圧がかかる競技(重量挙げ等)、ストーマを打撲する可能性がある競技(格闘技・ラグビー・鉄棒等)以外は制限がありません。
体幹をひねる動作が多い場合はストーマ用のベルト、腹帯、補強用テープを使用すると安定します。水泳用の専用腹巻もあります。

就業・就学について

復帰時期は仕事内容、年齢、治療内容で異なるため、主治医と相談が必要になります。
体調に合わせ、無理せず仕事をしていくことが大切です。
事前に上司や教員と連絡をとり、協力体制を整えておいたほうがよいでしょう。
重たいものを持つ等強い腹圧がかかる仕事は注意が必要です。会社・学校等でストーマ装具交換ができる場所があるか、事前に確認しておくと安心です。

性生活について

心身の回復に伴い可能となります。性生活に何か悩みが生じた時は主治医や看護師にご相談ください。
事前にストーマ袋は空にし、小さなストーマ袋に交換する、腹帯やカバー等を使用し邪魔にならないよう工夫もできます。

妊娠・出産について

疾患や治療の経過により、医師の許可があれば妊娠・出産は可能です。
手術の影響、持病等により外科、内科、産科等の連携が必要な場合がありますので、主治医にご相談ください。

災害時の対応について

災害時にはいつもの方法で交換できない、ストーマ装具が入手できない、交換場所が確保できない等が起こりえます。
そのため事前準備が大切です。

日ごろから準備していただきたいこと

ストーマの準備

①ストーマ用品の備蓄(約10日分)

  • 持ち出し用はすぐ持ち出せる安全な場所に非常持ち出し袋等と一緒に保管してください。可能であれば、複数個所に分散して保管してください。
  • ストーマ装具は使用期限があります。年に1回は点検し、定期的に交換してください。
  • 水に濡れても大丈夫なように密封できるビニール袋等にいれておいてください。
ストーマ用品の分散保管

公共施設に個人のストーマ用品の保管場所を提供している自治体もあります。お住まいの自治体にお問い合わせください。

②緊急時ストーマ装具交換用品の準備(水なしで交換できる物品))

  • 使用しているストーマ装具

    使用している
    ストーマ装具

    1~2回分

  • ウェットティッシュ

    ウェットティッシュ

    ノンアルコールのストーマケア用とアルコール含有の手拭き用

  • 水不要の洗浄剤

    水不要の洗浄剤

  • ゴミ袋

    ゴミ袋

  • はさみ

    はさみ

  • 絆創膏

    絆創膏等

③緊急連絡先・使用している装具情報のメモ作成・携帯

  • 使用しているストーマ装具の製品番号・製品名・サイズのメモを作成、またはストーマ装具の箱のラベルを切り取ったものを準備し携帯しましょう。
  • ストーマ装具の購入先・かかりつけの病院やストーマ外来の連絡先のメモを作成、携帯電話にも登録しておきましょう。
  • メモは緊急時ストーマ装具交換用品、ストーマ用品の備蓄と一緒にしておきましょう。

災害時のストーマケア

  • シャワーや水の使用が難しくなるため、水なしで交換できる方法を習得しておきましょう。
  • 長時間のトイレの使用などが困難な場合もあります。避難所の施設管理者等にオストメイトであることを伝え、ストーマ装具を交換する場所を確保してください。使用後のストーマ装具の破棄場所などもあらかじめ確認してください。
  • 手持ちのストーマ装具が少なくなった時は避難所の医療従事者にご相談ください。在宅避難中に手持ちストーマ装具が少なくなった時は避難所・病院にご相談ください。
  • 使用しているストーマ装具以外が支給される場合もあります。ハサミでのカットも練習しておきましょう。
  • 洗腸されている方は自然排便法に切り替えが必要な場合もあります。普段から自然排便法での管理もできるよう準備しておきましょう。

※災害時のストーマ用品等の受け取り等の情報は各自治体、日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会、日本創傷・オストミー失禁管理学会、日本オストミー協会のホームページなどでも確認できます。

災害対策 | 【公式】日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
一般の方へ | 一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会
公益社団法人 日本オストミー協会