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医療関係者へのお知らせ

医療関係者へのお知らせ

【論文紹介】直腸癌の最新情報#8〜#50

2024.03.30

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ENSEMBLE試験で紹介しています最新論文紹介のリストを公開します。

配信日title内容URL
2023/2/27Magnetic Resonance Imaging Directed Surgical Decision Making for Lateral Pelvic Lymph Node Dissection in Rectal Cancer After Total Neoadjuvant Therapy (TNT)アメリカ、ヒューストン。
小西先生の施設(MD Anderson)から、TNT後の側方郭清についての論文です。
Magnetic Resonance Imaging Directed Surgical Decision Making for Lateral Pelvic Lymph Node Dissection in Rectal Cancer After Total Neoadjuvant Therapy (TNT)

治療前のMRIで側方リンパ節の腫大を認めた直腸癌患者158人に対してMRIをレトロスペクティブに解析。88例(56.0%)が側方郭清を施行され、病理学的に陽性であったのは34.1%。3年後の局所再発率は側方郭清の有無で3.4% vs 4.6%;P =0.85であり有意差なし。治療前の不均一性と不規則なマージンを示す側方リンパ節(オッズ比3.82;95%信頼区間:1.65-8.82)またはTNT後の短軸が5mm以上の患者(オッズ比2.69;95%信頼区間:1.19-6.08)は側方リンパ節郭清を受ける傾向が強かった。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35837891/
2023/2/28Total Neoadjuvant Therapy in Rectal Cancer: Multi-center Comparison of Induction Chemotherapy and Long-Course Chemoradiation Versus Short-Course Radiation and Consolidative ChemotherapyStage II/III直腸がんに対して、コロラド大学(2016-2020)で、Chemoとlong CRT、ワシントン大学(2017-2020)でshort RT+ChemoのTNTを比較。全体として、Chemoとlong CRTを受けた患者の43%(n=36)が完全奏効を示したのに対し、short RT+Chemoを受けた患者の53%(n=44)は完全奏効を示した(p=0.189)。
https://link.springer.com/article/10.1007/s11605-023-05601-3
2023/3/2Outcomes after the watch-and-wait strategy and local excision treatment for rectal cancer: a meta-analysisTNTまたはnCRT後の局所切除またはW&W(NOM)についてのメタアナリシス。
9つの論文のメタ解析。全体で 442 例が対象となり、W&W (NOM)群は 267 例、LE(局所切除) 群は 175 例であった。メタ解析の結果、LR(局所再発)、DM(遠隔転移)/DM+LR、3年DFS、3年LRFS、3年OSに関して、W&W(NOM)群とLE群の間に有意差はなかった。
詳しくは下記をご覧ください。
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/14737140.2023.2181796
2023/3/6Patterns of Care for Patients With Locally Advanced Rectal Cancer Treated with Total Neoadjuvant Therapy at Predominately Academic Centers between 2016-2020: An NCDB Analysisアメリカの全米がんデータベース(NCDB)を用いたTNTのトレンドに関する研究です。
LARCに対して、TNTの割合が増加していることがわかりました。
• TNTを受けた患者の割合は、2016年の6.1%から2020年の34.6%に増加
• ショートコースRTの利用率は、2016年の2.8%から2020年の13.7%に増加
NCCNのガイドラインにも記載されているので、今後も増加すると思われます。

2016年から2020年の間に直腸がんと診断された全米がんデータベース(NCDB)からレトロスペクティブに解析。
患者は、遠隔転移、T1-2 N0疾患、病期不詳、非腺癌、直腸以外の部位にRTを受けた、定型的でないRT用量を受けた場合は対象から除外。
対象となった26,375人の患者のうち、ほとんどの患者はアカデミック施設で治療を受けていた(94.6%)。5,030人(19.0%)の患者がTNTをうけ、21,372人(81.0%)の患者はTNTを受けていなかった。TNTを受けた患者の割合は、2016年の6.1%から2020年の34.6%まで、時間の経過とともに有意に増加した(slope = 7.36, 95% CI 4.58-10.15, R2 = 0.96, P = 0.040).最も一般的なTNTレジメンは、化学療法に続いてロングコースCRTであった(2016~2020年の症例の73.2%)。ショートコースRTの利用率は、2016年の2.8%から2020年の13.7%へと有意に増加していました。(傾き=2.74、95%CI 0.37-5.11, R2 = 0.82, P = 0.035)。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S153300282300004X
2023/3/9Predictive role of diffusion-weighted MRI in the assessment of response to total neoadjuvant therapy in locally advanced rectal cancer今回はMRIについて紹介します。NOM委員会で目下勉強中の内容です。
キーポイント
- LARC患者のTNT前のMRI検査のADC値は、病理学的完全奏効(pCR)および治療後のTNM病期の退縮と有意に関連していた。a
- ADC値1.042 ×10 -3 mm 2 /sは、pCR患者とnCR患者の判別に最適なカットオフ値であり、感度75%、特異度70%であることが判明した。
- DW-MRIは、ADCマップ値の解析を通じて、LARC患者の治療に対する反応性の評価において潜在的な予測的役割を持つことが証明された。
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-022-09086-7
2023/3/14Risk and location of distant metastases in patients with locally advanced rectal cancer after total neoadjuvant treatment or chemoradiotherapy in the RAPIDO trialRAPIDO試験のサブ解析の結果が出ていました。
やはりTNTは臨床試験でやるべきだと感じました。

TNTでは、CRTと比較して遠隔転移のリスクが低減された。
RAPIDOTNT後の転移パターンが変化した。
TNTで、肝転移が減少した。
TNTで、遠隔転移の診断時期が変わることはなかった。
遠隔転移が出現した場合、生存率はTNTで劣っていた。
https://www.ejcancer.com/article/S0959-8049(23)00121-1/fulltext
2023/3/20Locoregional Failure During and After Short-course Radiotherapy Followed by Chemotherapy and Surgery Compared With Long-course Chemoradiotherapy and Surgery
A 5-Year Follow-up of the RAPIDO Trial
RAPIDO試験のサブ解析の結果が出ていました。https://journals.lww.com/annalsofsurgery/Abstract/9900/Locoregional_Failure_During_and_After_Short_course.366.aspx
2023/3/22The value of post-operative chemotherapy after chemoradiotherapy in patients with high-risk locally advanced rectal cancer—results from the RAPIDO trialRAPIDO試験のサブ解析の結果が出ていました。
ハイライト
RAPIDO試験のCRT群において、LARC患者に対するCRT後の術後補助療法の有用性についての検討。
術後補助療法はDFSとOSを改善し、DMとLRRを20~25%減少させる。
術後補助療法を75%以上することで、さらに10%~20%の改善がある。
ただし、統計学的有意差は出てませんでした。
ただ、補助療法を実施した方がDFS、OS、DM、LRRにおいて改善させる傾向がありました。
https://www.esmoopen.com/article/S2059-7029(23)00378-2/fulltext#appsec1
2023/4/4Quality of life and late toxicity after short-course radiotherapy followed by chemotherapy or chemoradiotherapy for locally advanced rectal cancer – The RAPIDO trialRAPIDO試験のQOLに関するサブ解析の結果が出ていました。
ハイライト
- QLQ-C30、QLQ-CR29、LARSの結果は、TNT群とCRT群で差はなかった。
- CRT群と比較して、TNT群で感覚関連症状がより多く見られた。
- 抹消神経毒性グレード1-2がCRT群に比べTNT群で多く認められた。
- グレード≧3の抹消神経毒性に群間差はない。
- TNT群とCRT群の間で、あらゆる種類の毒性に差はなかった。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0167814022001943?via%3Dihub
2023/4/13Effect of short-course radiotherapy followed by oxaliplatin-based consolidation chemotherapy on organ preservation in locally advanced rectal cancer台湾からSCRT+OXベースのTNTの結果が出てました!後ろ向きのフォローアップ約3年です。

2015年1月から2020年12月の間に、手術前にSCRTとtegafox(テガフール・ウラシル・ロイコボリン+オキサリプラチン)またはmFOLFOX-6(5-フルオロウラシル・ロイコボリン+オキサリプラチン)の併用化学療法を受けたLARC患者64人をレトロスペクティブに評価した。
平均年齢58.67歳の64名(男性44名)が対象。48名(75%)が肛門縁から5cm以内に腫瘍を有した。93.8%の患者が少なくとも2ヶ月間の化学療法を受け、3人が減量を必要とした。グレードIIIの毒性は2人。10人がcCRでNOMを選択。1人がPD。手術を受けた53人のうち、51人(96.2%)が括約筋を温存し、3人がClavien-Dindoグレード3の合併症を発症、死亡なし。コホート全体のCRは23.4%。追跡調査期間中央値32.01カ月後、6人(9.3%)に局所再発、17人(26.6%)に遠隔転移が認められた。3年OS、DFS、stoma free率はそれぞれ89.5%、65.5%、78.1%であった。
https://link.springer.com/article/10.1007/s00384-023-04388-8
2023/4/18Neoadjuvant chemoradiotherapy with radiation dose escalation with contact x-ray brachytherapy boost or external beam radiotherapy boost for organ preservation in early cT2–cT3 rectal adenocarcinoma (OPERA): a phase 3, randomised controlled trialOPERAは、フランスの17の癌センターで行われた多施設共同オープンラベル第3相ランダム化比較試験で、18歳以上の手術可能な直腸低・中部のcT2、cT3a、cT3b腺がん患者、腫瘍径5cm未満、cN0またはcN1である患者が対象。ネオアジュバント化学放射線療法を受け、5週間かけて25分割で45Gyの外部ビーム放射線療法を受け、同時にカペシタビン(825mg/m2、1日2回)を経口投与した。患者は、9Gyの外部ビーム放射線治療を5回に分けてブーストする群(A群)と、接触型X線ブラキセラピー(90Gyを3回に分けてブーストする群、B群)に1対1でランダム化されました。主要評価項目は3年後の臓器温存でした。

2015年6月14日から2020年6月26日の間に、148名の患者が適格性を評価され、A群(n=74)またはB群(n=74)にランダムに割り付けられた。直径3cm未満の腫瘍を有する患者の3年臓器温存率は、A群63%(95%CI 47-84)に対し、B群97%(91-100)(HR 0-07、95%CI 0-01-0-57;p=0-012 )でした。3cm以上の腫瘍を有する患者の3年臓器温存率は、A群55%(95%CI 41-74)に対してB群68%(54-85)(HR 0-54、95%CI 0-26-1-10;p=0-11 )でした。
https://www.thelancet.com/journals/langas/article/PIIS2468-1253(22)00392-2/fulltext
2023/4/19KRAS mutant rectal cancer cells interact with surrounding fibroblasts to deplete the extracellular matrix2021年の論文ですが、MSKCCからTIMING試験におけるKRASに関わるmolecuar dataの解析です。
TIMING試験に登録された患者の76個の局所進行直腸腺癌のmRNAをプロファイリングし、KRAS変異体(KRAS-mt)とKRAS野生型(KRAS-wt)患者の間の遺伝子発現の違いを調査した。その結果、KRAS-mtの腫瘍では、腫瘍間質および細胞外マトリックスのリモデリングに関連する遺伝子の発現が低いと報告してます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33817986/
2023/4/20Total Neoadjuvant Therapy Versus Standard Neoadjuvant Chemoradiation in Patients with Locally Advanced Rectal Cancer
A Comparison of Short- and Long-term Oncologic Outcomes
2022年Annals of Surgeryから。
アメリカのNational Cancer Database [2006-2015]を用いた研究。(データがちょっと古いですが)
StageII-IIIの直腸癌患者8,548例。
局所進行直腸癌患者において、ネオアジュバント多剤併用全身化学療法・放射線療法(TNT)とネオアジュバント単剤化学放射線療法(nCRT)および多剤併用術後補助化学療法が全生存期間(OS)、腫瘍ダウンステージ、周縁切除縁(CRM)の状態に対してどのように影響するかを検討。
36%がTNTを受け、64%がnCRT。
13%がpCR、20%がNAR<8。
多変量解析では、nCRTと比較して、TNTはpCR率が数値的に高いが(P = 0.05)。
CRM陽性率は同等(P = 0.11)。
交絡因子調整後、OSは2群間で同等。
pCRとNARスコア<8はいずれもOSの改善と関連。
https://journals.lww.com/annalsofsurgery/Abstract/2022/12000/Total_Neoadjuvant_Therapy_Versus_Standard.45.aspx
2023/4/24Genomic and transcriptomic determinants of response to neoadjuvant therapy in rectal cancerかなり読み応えのある論文です。我々もMSKCCとコラボの可能性があります。(詳細はブーストアップで)

直腸癌738例のゲノムおよびトランスクリプトーム解析。
APC変異は直腸下部では中部および上部よりも頻度が低い。
診断時の体細胞変異は術前治療への反応と有意な関連なし。
KRAS変異はTNTを行った患者における早期再発と関連。
IGF2およびL1CAMの過剰発現は、術前療法に対する反応性の低下と関連。
RNAシーケンスによる免疫浸潤を推定することで、奏効率が高く無病生存期間が延長するMSSでImmune hotな腫瘍のサブセットが特定。
https://www.nature.com/articles/s41591-022-01930-z
2023/5/11TNT and local recurrence in the RAPIDO trial — untangling the puzzleRAPIDO試験の長期予後でLRFがSCRTで多かったことを受けて、考察しています。レビューですが、面白いのでご紹介します。
RAPIDOの初回報告では、pCR率の改善(試験群対標準群、28%対14%)は、周縁部切除の頻度の増加(各群90%)、R1/R2切除の減少(両群10%)には結びつかなかった。治療強化によりpCR率が2倍になり、遠隔転移の発生率が有意に低下したが、最終的にはLRR率も有意に悪化したという観察は、臨床家の直感に反する。この知見は異常である。。。。って書かれています。
そして、著者らの仮説と展望に入っていきます。
https://www.nature.com/articles/s41571-023-00751-4
2023/5/16Neoadjuvant Chemotherapy With CAPOX Versus Chemoradiation for Locally Advanced Rectal Cancer With Uninvolved Mesorectal Fascia (CONVERT): Initial Results of a Phase III TrialMRFがnegativeの局所進行直腸癌(LARC)に対して、CAPOX単独によるNACとcapecitabineによるnCRTを比較してます。NAC群はn=300、nCRT群はn=289のランダム化第3相試験。
病理学的完全奏効率は、nCT群で11.0%(95% CI, 7.8-15.3%)、NAC群で13.8%(95% CI, 10.1-18.5%) (P=0.33) でした。ダウンステージ(ypStage 0~1)率は、NAC群で40.8%(95%CI、35.1~46.7%)、nCRT群で45.6%(95%CI、39.7~51.7%)でした(P=0.27)。open accessです。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9994847/
2023/5/17Total neoadjuvant treatment and organ preservation strategies in the management of localized rectal cancer: A narrative review and evidence-based algorithmレビュー論文ですが、ENSEMBLEがongoingのTNTの試験として掲載されていました!!
抄録だけ紹介します。
局所進行直腸癌に対する治療法として、術前化学放射線療法後に直腸間膜全切除を行い術後補助療法を行う治療が長く主流となってきた。しかし、術後補助化学療法による遠隔再発抑制は限定的であり、術前に化学療法と化学放射線治療と組み合わせたTNTが新たな選択肢として確立されつつある。一方、TNTでcCRになった患者は、十分な病性制御を維持しながら、手術や術後の長期罹患を回避することを目的とした臓器温存の恩恵を受けられる。ただ、NOMの臨床への導入は、局所再発のリスクや長期的なアウトカムに関する懸念もあり、まだまだ議論のあるところである。本総説では、これらの最近の進歩が直腸癌の局所進行直腸癌に対する治療とTNTとNOMを臨床に導入するためのアルゴリズムを提案する。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1040842823000732?via%3Dihub
2023/5/18MRI Assessment of Extramural Venous Invasion Before and After Total Neoadjuvant Therapy for Locally Advanced Rectal Cancer and Its Association with Disease-Free and Overall SurvivalMSKCCよりTNT後のMRIでのEMVIについて
2010年から2017年の間にMSKCCで、TNTとTMEを受けた局所進行直腸癌患者175人のベースラインMRI、TNT後MRI、病理データとEMVIの関係を後ろ向き分析。2人の放射線医がEMVI状態を評価し、不一致例は3人目の放射線医が判断。病理学的なEMVIは、病理科の基準に従って評価。Cox回帰モデルにより、EMVIとDFSおよびOSとの関連性を評価した。
TNT後のMRIと病理検査の両方におけるEMVIは、DFS(HR, 0.17, 95%CI、0.04-0.64)およびOS(HR, 0.11, 95%CI, 0.02-0.68)に関連。ベースラインMRIでEMVIを有する35名の患者で、TNT後のMRIでEMVIを有する18名に対し、病理検査でEMVIを有していたのは6名のみ、これらは関連していなかった(p = 0.2)。DFSは、EMVIが陽性であり続けた場合と比較して、EMVIがMRIと病理で消失した場合に長くなっていた。
ベースラインのEMVIは、TNT後でも予後不良と関連している。TNT後のMRIでEMVIが残存していても、切除後の病理検査でEMVIが消失していることはよくあること。病理検査でのEMVI消失はDFSの改善と関連するが、TNT後のMRIでのEMVI残存による治療方針の決定や予後への有用性はまだ不明。
https://link.springer.com/article/10.1245/s10434-023-13225-9
2023/5/19Identification of patients with locally advanced rectal cancer eligible for neoadjuvant chemotherapy alone: Results of a retrospective study2016年1月から2021年6月までに術前治療(NT)を受けたLARC患者計155名をレトロスペクティブに分析。患者は、nCRT(n=101)とnCT(n=54)の2群に分けられた。nCRT群では、局所進行病変(cT4、cN+、mrMRF陽性)を有する患者がより多く見られた。nCRT群の患者は、50Gy/25Fxの照射を受け、カペシタビンを同時併用し、nCTサイクルの回数中央値は2回であった。nCT群では、中央値で4サイクルであった。
追跡調査期間の中央値は30カ月であった。病理学的完全奏効(pCR)率は、nCRT群がnCT群より有意に高かった(17.5% vs. 5.6%、 p = 0.047)。局所再発率(LRR)は、nCRT群6.9%、nCT群16.7%と有意差が認められた(p = 0.011)。初回mrMRF(+)の患者では、nCRT群のLRRはnCT群より有意に低かったが(6.1%対20%、p = 0.007)、初回mrMRF陰性(-)の患者では有意差は認められなかった(各群10.5%、p = 0.647).nCT群と比較して、nCRT群の初期mrMRF(+)がNT後にmrMRF(-)になった患者では、低いLRRが観察された(5.3% vs. 23%, p = 0.009)。AE、OS、DFSについては、両群間に有意差は認められなかった。多変量解析の結果、nCRTとypNがLRR発生の独立した予後因子であることが示された。
初回mrMRF(-)の患者は、nCT単独に適している可能性がある。しかし、初回mrMRF(+)がnCT後にmrMRF(-)になった患者は、LRRのリスクが高く、放射線治療が推奨される。これらの知見を確認するためには、PROSPECT試験の結果が待たれる。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/cam4.6029
2023/7/28Long-term Quality of Life and Functional Outcome of Patients With Rectal Cancer Following a Watch-and-Wait ApproachJAMA Surgery より
オランダから、NOM後の患者さんの長期QOLと排便機能、性機能 ← NOMはやはり良い?!
CRT後の直腸癌患者278人を対象としたこのコホート研究では、全員がQOLは良好と報告。約4分の1が追跡期間中に腸管の機能障害があり、男性患者の31.8%が24ヵ月時点で重度の勃起障害あり、女性患者は追跡期間中に性機能の低下があることを報告。QOLと排便機能と性機能の転帰は、患者が手術を必要とした場合に悪化した。
しかも、局所切除であっても、TMEであっても手術では、機能低下が観察された。
術前化学放射線療法または放射線療法後のNOMに移行した患者さんは、機能障害が出ることもあるが、良好なQOLであった。
前向きデータが少ないので、世界的にもNOMは臨床試験で実施すべきとなってます。(ドイツ、ニューヨークのcollaboratorのコメント)
https://jamanetwork.com/journals/jamasurgery/article-abstract/2803111
2023/8/2A contemporary assessment of total neoadjuvant therapy (TNT) protocols for locally advanced rectal cancer: adoption and expert perspectives at German Cancer Society (DKG)-certified colorectal cancer centersドイツ癌学会(DKG)認定大腸癌センターにおけるTNTの採用と専門家の見解
面白いです。NOMの実施に関してはドイツでも意見が分かれているようです。
https://link.springer.com/article/10.1007/s00432-023-05139-6
2023/8/3Local Regrowth and the Risk of Distant Metastases Among Patients Undergoing Watch-and-Wait for Rectal Cancer: What Is the Best Control Group? Muticenter Retrospective StudyW&W(NOM)後の局所再増大は、遠隔転移のリスク?
ブラジルからのスモールコホート、レトロの報告です。
局所進行直腸癌に対して術前治療を行なった患者が対象。局所再発患者79人中21人が遠隔転移を発症したが、直視下手術では74人中10人しか発症しなかった(p = 0.04)。局所再発と最終病理所見(ypT3-4)は、遠隔転移に関連する唯一の独立したリスク因子であった。サルベージ切除日をタイムゼロとした場合、遠隔転移のない生存率は局所再発の患者で有意に劣っていた(70vs86%;p = 0.01)。術前治療は様々で、スモールコホート、後ろ向きのリミテイションがあります。
、TNT後のNOMについてはまだ前向きなデータがありません。NOMは、やはり臨床試験としてN実施すべきかと思いました。
https://journals.lww.com/dcrjournal/Abstract/9900/Local_Regrowth_and_the_Risk_of_Distant_Metastases.382.aspx
2023/8/9NCI Rectal-Anal Task Force consensus recommendations for design of clinical trials in rectal cancerOpen accessです。MSKCCのJJ Smith先生も共著者に入ってます。
直腸癌の治療についての投票結果の論文です。

背景
局所進行直腸癌の最適な治療は急速に進化している。米国国立がん研究所(NCI)のRectal Ana lTask Force(RATF)は、直腸がん患者を対象とした将来の臨床試験のデザインに関するコンセンサスを得るために専門家パネルを招集した。
方法
放射線療法とネオアジュバント療法、患者の認識、特に関心のある直腸癌患者集団、独自のデザイン要素などを取り上げた82の質問と小質問を、デルファイ分析法を用いて繰り返し検討し、コンセンサスが得られている領域とコンセンサスが得られていない領域を明確にした。
結果
タスクフォースは以下のいくつかの領域でコンセンサスを得た: a)臨床試験の対照群として、化学療法の前または後に長期コースの放射線療法を行うTNT、および短期コースの放射線療法後に化学療法を行うTNTを使用すること、 d)治療やサーベイランスを調整するためのctDNA測定の有用性の検討、e)適切なエンドポイントを特定し、NOMに入った患者のデータ管理の課題を認識する必要性。
結論
局所進行直腸癌における今後の臨床試験デザインに影響を与える優先順位について、合意に達した。
https://academic.oup.com/jnci/advance-article/doi/10.1093/jnci/djad143/7236505?login=false
2023/8/10Compliance and Toxicity of Total Neoadjuvant Therapy for Rectal Cancer: A Secondary Analysis of the OPRA TrialOPRAの最新データです。
有害事象と有効性、CRT firstとChemo firstについても掲載されています。
サプリメントにも貴重なデータが出てました。ご覧ください。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0360301623077258
2023/8/15Treatment stratification and prognosis assessment using
circulating tumor DNA in locally advanced rectal
cancer: A systematic review and meta-analysis
ctDNAのレビューです
2018年から2022年の間に発表された12の研究には931人の患者が含まれ、最終的に2544人の血清サンプルがメタ解析に含まれた。プールの結果、ctDNA陰性患者はpCRになる可能性が高いことが明らかになった(RR=1.64、95%信頼区間[CI]:1.26-2.12)。プール解析の結果、ctDNA陽性患者は再発リスクが高く(RR=3.37、95%CI:2.34-4.85)、OS(HR=3.03、95%CI:1.86-4.95)、RFS(HR=7.08、95%CI:4.12-12.14)、MFS(HR=2.77、95%CI:2.01-3.83)の予後が不良であった。
Open accessです。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1002/cam4.6434
2023/8/16Outcomes of Patients With Local Regrowth After Nonoperative Management of Rectal Cancer After Neoadjuvant Chemoradiotherapy再増大に関する論文です
CRT後にNOMをした67人。このうち20例(29.9%)に局所再増大がみられた。平均追跡期間は62.7ヵ月であった。再増大はCRT後平均14.2ヵ月で発生し、その半数は最初の12ヵ月以内であった。患者の初期病期分類、骨盤側リンパ節転移、EMVIは同等であった。再増大ではMRFへの浸潤の発生率が統計学的に有意でなかったが高かった(35.0% vs 13.3%、p = 0.089)。再増殖群はすべて救済手術を受け、そのほとんど(75%)が括約筋温存術であった。5年OS率は、再増大例で71.1%、持続的cCR例で91.1%であった(p = 0.027)。
https://journals.lww.com/dcrjournal/abstract/2022/03000/outcomes_of_patients_with_local_regrowth_after.8.aspx
2023/8/18Total neoadjuvant therapy with or without aflibercept in rectal cancer: 3-year results of GEMCAD-1402術前治療に分子標的をONする試験は、またしてもネガティブでした。
Total neoadjuvant therapy with or without aflibercept in rectal cancer: Three-year results of GEMCAD-1402
GEMCAD-1402第II相無作為化試験の結果から、高リスクの局所進行直腸癌患者において、アフリベルセプト+mFOLFOX6導入療法に3年までの追跡結果。
結果
mF+AおよびmFの3年DFSはそれぞれ75.2%(95%信頼区間[CI]:66.1%~82.2%)および81.5%(95%CI:69.8%~89.1%)、3年OSは89.3%(95%CI:82.0%~93.8%)および90.7%(95%CI:80.6%~95. 7%)、3年累積LR発生率は5.2%(95%CI:1.9%~11.0%)および6.1%(95%CI:1.7%~15.0%)、3年累積DM発生率は17.3%(95%CI:10.9%~25.5%)および16.9%(95%CI:8.7%~28.2%)であった。
結語
mFOLFOX6導入療法にアフリベルセプトを追加しても、DFSやOSの改善とは関連しなかった。
https://academic.oup.com/jnci/advance-article-abstract/doi/10.1093/jnci/djad120/7219718?redirectedFrom=fulltext
2023/8/21Total neoadjuvant therapy with short-course radiotherapy Versus long-course neoadjuvant chemoradiotherapy in Locally Advanced Rectal cancer, Korean trial (TV-LARK trial): study protocol of a multicentre randomized controlled trial韓国の新規TNT試験
多施設共同前向きオープンラベル無作為化比較試験。Stage3以上、肛門縁から10cm以内の直腸癌患者を、短期放射線療法(1週間かけて5回分割で25Gy)後にCAPOX療法(1日目にオキサリプラチン[130mg/m2、1日1回]を静注、1日目から14日目までカペシタビン[1,000mg/m2、1日2回]を4サイクル)(TNT)とCRT療法(50. 4Gyを5週間かけて28回分割し、カペシタビン825mg/m2を1日2回経口投与する)を併用した。術前治療後、TNT群では2~4週間、CRT群では6~10週間後にTMEを行い、その後任意で術後補助化学療法を追加。主要エンドポイントはpCR率であり、副次的エンドポイントはDrTF、QOL、コスト対効果である。pCR率はTNT群で28%、CRT群で15%、片側αエラー率0.025、検出力80%と仮定。10%の脱落率を考慮して348人の患者が登録される予定。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37553666/
2023/8/24Influence of proton pump inhibitors on the pathological response of rectal cancer: a multicentre studyTNTとPPIはpCRには影響しない。有害事象が増える?

プロトンポンプ阻害薬が直腸癌術前治療の病理学的反応に及ぼす影響:多施設共同研究
背景
直腸癌に対する標準的な術前療法は、フルオロピリミジン系薬剤と放射線療法であり、最近ではTNT(total neoadjuvant therapy)である。フルオロピリミジン系薬剤とプロトンポンプ阻害薬(PPI)との間の薬物間相互作用が示唆され、乳癌、結腸癌、胃癌における腫瘍学的転帰に悪影響を及ぼすことが知られている。
方法 カペシタビン(コホート1)または5-FU(コホート2)による術前治療を受けた直腸癌患者の多施設共同レトロスペクティブ研究。病理学的奏効はAmerican Joint Committee on Cancerに従ってypCRまたはypCR+ypPRとした。PPIの使用は、フルオロピリミジン系薬剤との併用であれば、術前治療期間中いつでも考慮した。
結果
2007年1月から2020年11月までに、251人の患者がカペシタビンと196人の5-FUの投与を受けた。コホート1と2のPPI使用率はそれぞれ20.3%と26.5%であった。コホート1では18.3%にTNTが投与された。PPI使用は、コホート1(使用あり対なし:29.4%対19.5%;p = 0.13)またはコホート2(使用あり対なし:25.0%対26.4%;p=1.0)においてypCRに影響を及ぼさなかった。ypCR+ypPRはコホート1(76.5%対72.0%;p=0.60)とコホート2(86.5%対76.4%;p=0.16)で同様に観察された。多変量解析ではPPIの使用は病理学的奏効と関連していなかった。PPI使用者はグレード3以上の下痢と感染症をより多く経験した。
結論
カペシタビン/5-FU化学放射線療法にPPIを併用することは直腸癌の病理学的効果には影響しなかったが、治療関連の有害事象の増加と関連していた。
https://ecancer.org/en/journal/article/1586-influence-of-proton-pump-inhibitors-on-the-pathological-response-of-rectal-cancer-a-multicentre-study
2023/8/29Disease-free survival as the endpoint in multimodal rectal cancer trials:have we got this right?多剤併用直腸癌臨床試験におけるエンドポイントとしての無病生存期間:我々はこれを正しく理解しているか?
Fokas先生、Smith先生たちのコメントです。
面白いです。直腸がん治療のエンドポイントは、結腸癌とはちがい長期予後だけでないって言ってます。QOLの時代?ぜひ、読んでみてください。
https://www.thelancet.com/journals/langas/article/PIIS2468-1253(23)00231-5/fulltext
2023/8/30The ultimate local failure rate after the watch-and-wait strategy for rectal cancer: a systematic review of literature and meta-analysis再増大を認めた患者の25%近くが最終的なlocal failureを経験した。その主な原因は救済的TMEの拒否であった。W&Wの候補として放射線(化学)療法を開始した患者、またはW&Wを開始した患者における最終的なlocal failureのリスクは、術前化学放射線療法および手術後に報告されたものと同等である。https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/0284186X.2023.2245553
2023/9/1Achieving a Cure Without Total Mesorectal Excision in Rectal Adenocarcinoma直腸癌は治癒可能な疾患であるが、治癒を目的とした治療戦略の性質上、治癒は生涯にわたる罹患を伴う可能性がある。直腸腺癌に対する複雑な治療法の選択肢の中で、このQOLの改善を達成することに焦点をあてて治療法を選択することは、今後の臨床試験にとって重要な焦点である。治癒を最適化し罹患率を最小化する道には多くの課題が残っており、初期病期分類の精度の向上、各患者に使用するネオアジュバント療法のより正確な選択、最適な外科的管理戦略の選択、最新の放射線療法アプローチの確実な使用などが含まれる。最後に、臓器温存戦略は早期および局所進行直腸癌の管理において最前線に躍り出た。ここでは、この分野に残された課題、進展、そしてカナダ癌試験グループの第II相試験から得られた最近のデータをACOSOG Z6041試験、CARTS試験、GRECCAR2試験とどのように関連付けることができるかを紹介する。https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.22.01812?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%20%200pubmed
2023/9/4Editorial: Ano-rectal and gastro-esophageal cancer: diving into diagnostic and therapeutic imaging modalities for radiotherapy直腸癌に対するTNTと臓器温存戦略の時代において、MR画像は治療戦略を最適化するために、病期分類と治療効果を評価する上で重要な役割を担っている。このResearch TopicでChenらは、53例の局所進行直腸癌(LARC)において、病理学的完全奏効(pCR)の予測において、拡散強調画像(DWI)と組み合わせた特殊なMRシーケンスであるamide proton transfer weighted(APTw)MRIを評価した。Pre-APTとPre-DWIの併用は、ネオアジュバント治療に対する良好な奏効を予測する上で良好な診断能を達成した(AUC 0.89)。APTw MRIもLiらにより解析され、APTは腫瘍の悪性度、病理組織型、硬膜外脈管侵襲(EMVI)の状態を含む直腸癌の予後因子の評価に有用であったが、原発巣(T)やリンパ節(N)の状態は評価できなかった。同様に、腫瘍の侵攻性を予測するために、Huらは直腸トモエラストグラフィで定量された硬さと組織学的に測定されたコラーゲン体積率(CVF)に基づいてin vivoで検討されたコラーゲンの意義を探求した。トモエラストグラフィは多周波MRエラストグラフィに基づく技術で、他の腫瘍で示されたように診断力がある。コラーゲンの過剰発現は、腫瘍の硬さの増加および腫瘍の侵攻性の高いリスクと相関していた。MRエラストグラフィはMRIに診断的価値を付加するようであった。https://www.frontiersin.org/journals/oncology/articles/10.3389/fonc.2023.1276334/full
2023/9/5Can sarcopenia predict complete response after total
neoadjuvant therapy in advanced rectal cancer?
A multicentre observational cohort study
本研究では、平均年齢59.5歳の直腸癌患者118人を対象とし、うち83人(70.3%)を非サルコペニア群(NSG)、35人(29.7%)をサルコペニア群(SG)とした。overall CR率はSG群と比較してNSG群で有意に高かった(p<0.001)。cCR率はSG群と比較してNSG群で有意に高かった(p=0.001)。多変量解析の結果、サルコペニア(p = 0.029)と低アルブミン血症(p = 0.040)がcCRの危険因子であり、サルコペニアはoCRの独立した危険因子であった(p = 0.020)。
結論 進行直腸癌患者において、サルコペニアと低アルブミン血症はTNT後の腫瘍効果と負の相関を示した。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1002/jso.27251
2023/9/12Total neoadjuvant therapy for locally advanced rectal cancer: a narrative reviewTNTのレビューです。
局所進行直腸癌は従来、化学放射線療法(CRT)に続いて手術、術後補助化学療法が行われてきた。しかし、新たな戦略であるTNTは、より早期に微小転移巣を根絶し、より高い病勢制御を達成することを目的として、CRTとネオアジュバント化学療法を併用するものである。TNTは、CRTと比較して病理学的完全奏効率や切除率が高く、生存率も改善する。遠隔再発は局所進行直腸癌における罹患率と死亡率の主な原因である。この問題に対処するために、疾患反応を予測する新しいバイオマーカーが開発されつつある。
https://www.futuremedicine.com/doi/full/10.2217/fon-2023-0481
2023/9/13Long-term outcomes in a retrospective
cohort of patients with rectal cancer with
complete response after total neoadjuvant
therapy: a propensity-score weighted
analysis
中国からのレトロスペクティブ
W&W群は、TNT療法後にcCRと評価され、W&W戦略を採用した患者。標準切除を受けpCRを達成した患者と比較した。生存成績の比較には、IPTW(Inverse probability of treatment weighting)調整Kaplan-Meier解析とlog-rank検定を用いた。
結果
W&W群とpCR群にそれぞれ89例と171例の患者を組み入れた。追跡期間の中央値はW&W群で45ヵ月、pCR群で58ヵ月であった。IPTW調整後の2年局所再発率は、W&W群が9.9%、pCR群が2.0%であった(p<0.001)。全生存期間、無病生存期間、無遠隔転移生存期間を含む5年転帰は、W&W群とpCR群で同等であった(すべてp > 0.05)。W&W群で局所再発を認めた患者と認めなかった患者との間で、遠隔転移率に有意差は認められなかった(25%対6.2%、p = 0.119)。
結論
TNT後にW&W戦略で管理された患者の生存成績は良好であり、pCRを得た患者と同様であった。W&W患者における局所再増悪率は、TNTを実施した結果、他の研究よりも低かった。
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/17588359231197955
2023/9/14Reports of the Death of Short-Course TNT Have Been Greatly Exaggerated面白いです。SC-TNTは死んだ....?
Reports of the Death of Short-Course TNT Have Been Greatly Exaggerated
こんな文章ではじまります。
Short-course radiation therapy is not dead, nor is it onlife support. It is alive and continues to be a very valuabletool in managing rectal cancer.
RAPIDO試験は直腸癌の管理について非常に多くのことを我々に教えてくれた。この試験は、TNTと短期放射線併用による疾患関連生存率の改善を証明した最初のRCTである。また、すべての直腸癌を短期放射線に基づくTNTレジメンで治療すべきではないことも教えてくれたであろう。T4で、CRM陽性の懸念があり、N2で、側方リンパ節転移陽性の腫瘍に対する短期TNT療法を検討する際には、批判的に考える必要がある。ロングコースの化学放射線療法に比べ、ショートコースの化学放射線療法は患者にとってはるかに便利であり、費用も劇的に安い。T3およびN1腫瘍の管理にとって貴重で効果的な手段であることは明らかである。したがって、ショートコース放射線療法を「死んだ」と宣言するのは短絡的である。もし演壇からTNTショートコースの終焉を宣言するとしたら、その結論には上記のような点があることを考えると、激しい論争がないわけではないだろう。
https://journals.lww.com/dcrjournal/citation/2023/10000/reports_of_the_death_of_short_course_tnt_have_been.4.aspx
2023/9/21Exploring novel genetic and hematological predictors of response to neoadjuvant chemoradiotherapy in locally advanced rectal cancerResponder群は35例(46.6%)、NR群は53.4%であった。公表されたトランスクリプトミクスデータの解析により、治療に対する反応を予測できる遺伝子が同定され、我々のコホートではqRT-PCRによりその有意性が評価された。手術を受けた患者のサブグループ(TRG1対TRG4)で比較を行ったところ、IDO1の発現が有意に低下していた(p<0.05)。RとNRの血液学的パラメーターのうち、好中球対単球比(NMR)、初回好塩基球数、好酸球数、単球数で奏効に有意差が検出された(p < 0.01)。MRI所見によると、NR例ではEMVI陽性がより多くみられた(p < 0.05)。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10501402/
2023/9/28Short-Course Radiation Therapy and the RAPIDO Trial: Too Short, Too Soon?shortとlongの議論です。
我々は、SCRTとLCCRTのどちらを選択するかを決定する際に、LRRを評価する複数のリスク因子(T4、MRF、側方リンパ節転移、肛門縁から5cm未満の腫瘍)を考慮するよう医師に勧めている。 コロラド大学で使用されている、局所再発と遠隔再発のリスク因子のバランスを考慮したネオアジュバント療法の戦略の1つを示す。
と書いてあります。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37739607/
2023/10/2Phase II study of capecitabine-based concomitant chemoradiation followed by durvalumab as a neoadjuvant strategy in locally advanced rectal cancer: the PANDORA trialPANDORA試験
デュルバルマブは抗PD-L1モノクローナル抗体である。
PANDORA試験は、長期放射線療法(RT)+カペシタビン併用療法(5週間にわたり25~28分割で5040cGyのRTを行い、カペシタビンを825mg/m2、1日2回投与)後のデュルバルマブ(1500mgを4週間ごとに3回投与)による術前治療の有効性と安全性を評価することを目的とした前向き第II相非盲検単群多施設共同試験である。主要評価項目は病理学的完全奏効(pCR)率であった。
2019年11月から2021年8月までに60人の患者が登録され、そのうち55人が本試験の目的について評価可能であった。2人の患者が治療中に病勢進行を経験した。適格患者55人のうち19人がpCRを達成した(34.5%、95%信頼区間22.2%~48.6%)。デュルバルマブに関連する毒性に関しては、グレード3の有害事象(AE)が4例(7.3%)に発現した(下痢、皮膚毒性、トランスアミナーゼ増加、リパーゼ増加、膵炎)。グレード4の有害事象は認められなかった。20例(36.4%)にデュルバルマブに関連したグレード1-2のAEが認められた。最も多かったのは内分泌毒性(甲状腺機能亢進症/低下症)、皮膚毒性(皮疹)、消化器毒性(トランスアミナーゼ増加、悪心、下痢、便秘)であった。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37774508/
2023/10/4Predictors of Low Anterior Resection Syndrome after Long-Course Chemoradiation for Locally Advanced Rectal CancerLARSスコア
術前LC-CRT治療を受け、オストメイトを造設していない患者110人のうち、57人が回答した(51.8%)。LC-CRT終了から調査終了までの間隔の中央値[四分位範囲(IQR)]は38.4ヵ月[26.3-48.9]であった。34例(60%)が男性で、BMIの中央値[IQR]は28[24-31.9]、腫瘍の肛門縁までの距離の中央値[IQR]は7cm[5-10]、40例(70%)がT3腫瘍、7例(12%)がT4腫瘍、45例(79%)がN+であった。41人(72%)がLC-CRT後に手術を受け、16人(28%)が非手術的治療を受けた。3Dコンフォーマル法は47例(82%)に使用され、VMATは10例(18%)に使用された。LARSスコアの中央値[IQR]は32[24-38]で、35例(61%)がMajor LARS(LARSスコア=30-42)に分類された。重回帰モデリングでは、手術を受けたことのみがLARSスコアの上昇(悪化)を有意に予測した。
我々のコホートでは、LC-CRT後に手術を受けた患者はLARSスコアが有意に高かった。試験した線量パラメータのうち、D0.03ccsが最も良い予測因子であり、より多くの患者数で有意になる可能性がある。直腸腺癌に対してLC-CRTを受けた患者の腸機能とQOLを改善するためには、さらなる研究が必要である。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0360301623055773
2023/10/10Interdisciplinary Spanish consensus on a watch-and-wait approach for rectal cancerNOMに関するスペインのコンセンサス
watch-and-waitは、ネオアジュバント療法後に完全な臨床効果が得られた場合の直腸癌の管理のための新しい戦略として登場した。この新しい臨床的アプローチを標準化する試みとして、スペイン消化器腫瘍治療協同グループ(TTD)が主導し、スペイン大腸肛門病学会(AECP)、スペイン病理学会(SEAP)、スペイン消化器内視鏡学会(SEED)、スペイン放射線腫瘍学会(SEOR)、スペイン医学放射線学会(SERAM)の参加を得て、直腸癌管理のためのwatch-and-waitアプローチに関するコンセンサスをここに提示する。我々は、患者の選択、評価された治療スキーム、臨床的完全奏効を評価する最適なタイミング、この戦略実施後の腫瘍学的結果、およびこれらの患者のサーベイランスのためのプロトコルに焦点を当てた。
2023/10/13International Validation of the Immunoscore Biopsy in Patients With Rectal Cancer Managed by a Watch-and-Wait StrategyImmunoscore Biopsyで効果予測
ISBは、局所再増殖と遠隔転移の両方を予測するバイオマーカーとして有効であり、悪化のリスクは段階的に縮小される。
5年後の無再発率は、ISB高、ISB中、ISB低でそれぞれ91.3%(82.4%-100.0%)、62.5%(53.2%-73.3%)、53.1%(42.4%-66.5%)であった(ハザード比[HR; 低vs高]、6.51;95%CI、1.99-21.28;log-rank P 5 .0004)。ISBは無病生存率とも有意に関連し(log-rank P 5 .0002)、局所再発と遠隔転移の両方を予測した。多変量解析では、ISBは患者の年齢、性別、腫瘍の位置、cT期(T:原発腫瘍、c:臨床的)、cN期(N:リンパ節領域、c:臨床的)とは独立しており、TTRの最も強い予測因子であった(HR [ISB High vLow], 6.93; 95% CI, 2.08 to 23.15; P 5 .0017)。臨床に基づいたモデルにISBを加えると、再発予測が有意に改善された。最後に、排出リンパ節におけるB細胞の増殖と記憶は、cCR患者の排出リンパ節で証明された。
https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.23.00586?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%20%200pubmed
2023/10/17Oncologic outcomes of watch-and-wait strategy or surgery for low to intermediate rectal cancer in clinical complete remission after adjuvant chemotherapy:asystematic review and meta-analysisOS、5年DFS、遠隔転移、死亡率については、WW戦略群と外科的治療群との間に差はなかった。WW戦略は局所切除と比較して局所再発のリスクを増加させなかったが、根治的手術と比較して局所再発のリスクが高い可能性があり、ストーマ造設率の点でWW群は手術群と比較して有意に良好であった;WW戦略は根治的切除と比較して明らかに臓器の完全性の温存に優れていた。その結果、直腸癌の臨床的完全寛解というシナリオにおいて、臓器温存とストーマ形成回避を強く希望する患者にとって、WW戦略は外科的介入に代わる現実的な選択肢として考えられる。しかしながら、このような戦略の展開は、集学的チームによる管理の範囲内で、直腸癌の管理に特化した専門センターで綿密に行われるべきであることを強調することが最も重要である。https://link.springer.com/article/10.1007/s00384-023-04534-2
2023/10/18NCI Rectal-Anal Task Force consensus recommendations for design of clinical trials in rectal cancer局所進行直腸癌の最適な治療は急速に進化している。National Cancer Institute Rectal-Anal Task Forceは、直腸癌患者を対象とした将来の臨床試験のデザインに関するコンセンサスを得るために専門家パネルを招集した。放射線療法とネオアジュバント療法、患者の認識、特に関心のある直腸癌患者集団、およびユニークなデザイン要素を取り上げた82の一連の質問とサブクエスチョンは、コンセンサスが得られている領域とコンセンサスが得られていない領域を定義するためにデルファイ分析法を用いて繰り返し検討された。タスクフォースは以下のようないくつかの領域でコンセンサスを得た: 1)臨床試験の対照群として、化学療法の前または後に長時間の放射線療法を行う全新アジュバント療法、および短時間の放射線療法後に化学療法を行う全新アジュバント療法を使用すること; 3)非手術的治療や低侵襲手術が有効である可能性の高い患者、あるいはその可能性の低い患者を同定する努力、4)治療やサーベイランスを調整するための循環腫瘍DNA測定の有用性の検討、5)適切なエンドポイントの同定と、非手術的治療の試験群に入った患者のデータ管理の問題点の認識の必要性。将来の臨床試験のデザインに影響する先行事項については、かなりの合意に達した。https://www.cancer.gov/about-nci/organization/ccct/steering-committees/nctn/gastrointestinal/gi-ratf-retreat-consensus.pdf
2023/10/20Trends in adoption of total neoadjuvant therapy for locally advanced rectal cancer背景
局所進行直腸癌(LARC)の治療戦略として認められている術前化学放射線療法(TNT)は、2018年に初めてガイドラインに盛り込まれた。我々は、TNT投与の傾向およびTNT投与に関連する因子を記述することを目的とした。
方法
全国がんデータベース(2012〜2020年)を用いて、成人LARC患者の後方視的コホート研究を実施した。TNTステータスを決定し、時間的傾向を分析した。TNT受領に関連する因子を病期別に同定した。
結果
合計51,407例の患者が同定され、57.3%がTNTを受けた。年齢および合併症の増加は、より高いTNT受療率と関連していた。ステージIIIの患者はTNTを受ける可能性が高かった(ステージIIのOR 0.92、95%CI 0.88-0.96)。ガイドラインに組み入れられた後、患者はTNTを受ける可能性が38%高かった(OR1.38、95%CI 1.31-1.46)。
結論
TNTの実施率は一貫して50%以上であり、NCCNガイドラインに組み入れられた後に上昇した。この研究により、TNT実施率のベースラインパターンが確立され、今後のベンチマーキングに役立てられる。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0002961023005366
2023/11/2Phase III trial of short-course radiotherapy followed by CAPOXIRI versus CAPOX in locally advanced rectal cancer: the ENSEMBLE trialENSEMBLEのプロトコール論文が「ESMO GI Oncology(創刊号)」にpublishされました。https://www.esmogastro.org/article/S2949-8198(23)00003-1/fulltext
2023/11/27Total neoadjuvant therapy in rectal cancer:the evidence and expectationsよくまとまっています。
ハイライト
-ネオアジュバント療法では、手術前に放射線療法と化学療法を行う。
-TNTは局所進行直腸癌の治療における新しい戦略である。
-TNTは遠隔転移を有意に減少させ、DFSとOSを増加させる。
-TNTはpCR率を2倍にすることが示されており、非手術的治療を可能にする。
-多くの問題がまだ解決されていない。リスクに応じたアプローチが必要かもしれない。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1040842823002846
2023/11/30Long-Term Results of Organ Preservation in Patients With Rectal Adenocarcinoma Treated With Total Neoadjuvant Therapy: The Randomized Phase II OPRA TrialOPRA試験のupdateです。一見の価値あり!
5年無病生存率はケモ先行群(71%)とRT先行群(69%)で、同程度であった。
5年全生存率も、ケモ先行群88%、RT先行群85%で、同等であった。
NOM療法を受けた患者のうち、36%(n=81)が腫瘍の再増大を経験し、94%が2年以内に、99%が3年以内に再発した。
ケモ先行群で39%、RT先行群で54%の患者が5年後に臓器温存を達成したと推定され、全体の約半数に相当した。
NOMt療法を受けた患者のうち、腫瘍再増大後のサルベージTMEは、TNT後のiCRに対するTMEと同程度の無病生存率であった。
https://ascopubs.org/doi/pdf/10.1200/JCO.23.01208?role=tab

 

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