【英語論文】Nature Reviews誌に掲載されました
2024.03.15
世界の一流レビュー雑誌
Nature Reviews Gastroenterology & Hepatologyに賀川義規医師の総説が掲載されました
治療法の進歩にもかかわらず、局所進行直腸癌患者の無病生存期間と全生存期間は遠隔転移の結果としてほとんどの試験で改善されていない。治療方針の決定には、長期的な腫瘍学的転帰とQOL指標(例えば排便障害)への影響の両方を考慮すべきである。化学療法と放射線療法または化学放射線療法からなる術前療法(TNT:Total Neoadjuvant Therapy)は、局所再発と遠隔転移を予防するために、高リスク疾患の特徴を有する患者に対する現在標準的な治療法である。臨床的に完全奏効を示す選ばれた患者では、その後の手術は非手術的管理によって回避されるかもしれないが、TNTに奏効しない患者の予後は不良である。洗練された分子的特徴の解析は、どの患者にTNTによる直腸温存が有効かを予測するのに役立つかもしれない。具体的には、人工知能と機械学習を用いた時空間マルチオミクスの統合解析が有望である。日本、米国、ドイツにおけるTNTと非手術的治療に関する3つのプ前向き臨床試験は、TNTに対する反応が術前にわかるようにそのアルゴリズムの解明にコラボレーションしている。 ここでは、TNTの今後の方向性について述べる。
Yoshinori Kagawa, J. Joshua Smith, Emmanouil Fokas, Jun Watanabe, Andrea Cercek, Florian R. Greten, Hideaki Bando, Qian Shi, Julio Garcia-Aguilar, Paul B. Romesser, Natally Horvat, Hanna Sanoff, William Hall, Takeshi Kato, Claus Rödel, Arvind Dasari & Takayuki Yoshino
Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology (2024)