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【国内学会】第78回日本消化器外科学会総会で賀川義規医師が発表しました

2023.07.14

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演題名は、「 局所進行直腸癌に対するTNTの有効性・安全性を検討する多施設共同臨床第Ⅱ相試験 – ENSEMBLE-1 –

第78回日本消化器外科学会総会で賀川義規医師が発表しました。

局所進行直腸癌に対するTNTの有効性・安全性を検討する多施設共同臨床第Ⅱ相試験 – ENSEMBLE-1 –

[演者] 賀川 義規:1
[共同演者] 渡邉 純:2,4, 安藤 幸滋:3,4, 植村 守:5, 井上 彬:1, 波多 豪:5, 諏訪 雄亮:2, 大庭 幸治:6, 竹政 伊知朗:7, 沖 英次:4
1:大阪急性期・総合医療センター 消化器外科, 2:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター, 3:国立がん研究センター東病院 大腸外科, 4:九州大学大学院 消化器・総合外科学, 5:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅱ, 6:東京大学大学院 公共健康医学専攻 生物統計学分野, 7:札幌医科大学医学部 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座

TNT ENSEMBLE 【背景】海外では、局所進行直腸癌に対する治療として、術前に局所制御だけでなく遠隔転移の制御を行うことで長 期予後の改善を目的にTotal neoadjuvant therapy (TNT)の第3相試験が実施され、その有用性が報告されている。日本 におけるTNTの安全性と実施可能性を検討するために特定臨床研究として前向き多施設共同臨床第2相試験、 ENSEMBLE-1試験(jRCTs051200113)を実施したのでその短期成績を報告する。【対象】主な適格基準は20歳以上、肛 門縁から12cm以内、診断時cT3-4N0M0またはTanyN+M0で根治切除が可能なLARCを対象とした。【方法】短期放射 線治療5Gy×5回(SCRT)+CAPOX 6コース後のTMEをプロトコール治療とした。術前治療後の評価でcCRが得られた場 合は、Non-operative management(NOM)を許容した。主要評価項目はpCR割合。閾値を5%、期待値を28%とし、か つ有意水準を片側5%、検出力を80%以上として、予定登録数を27例と設定した。主要な解析ではTMEを分母とした pCR割合、並びに二項分布に基づく正確な90%信頼区間を算出した。【結果】2021年1月から2022年1月までに5施設 から30例が登録された。性別(男:女, 26:4)、年齢中央値は62.5歳(範囲: 44歳-74歳)、登録時の占居部位(Ra:Rb, 11:19)、cT因子(T2:T3:T4, 3:23:4)、cN因子(N0:N1:N2, 13:13:4)であった。SCRTの完遂率100%、CAPOXならびに TNTの完遂率は83.3%であった。TMEは20例、NOMは7例に実施された。術式(LAR:ISR:APR/Hartmann, 15:3:2)であ り、根治度Aは20例(100%)、組織学的効果判定は(Grade1:2:3, 8:6:6)であった。pCR割合は30%(6/20例, 90%信頼区 間14.0%-50.8%)であり、事前に設定した閾値pCR割合5%を上回った。pCR+NOM割合は、43.3%(13/30例, 90%信頼 区間27.9%-59.8%)であった。Grade III (CD分類)以上の術後合併症は5%、Grade3(CTCAE v5.0)以上の主な有害事象は 下痢が23.3%、好中球減少が23.3%であった。治療関連死なし。観察期間は中央値15.6ヶ月(範囲: 10.5ヶ月-22.8ヶ月) であり、再発ならびにNOM群での再増大は認めていない。【結語】本邦で初めてのLARCに対するTNTの前向き多施 設共同臨床第2相試験での安全性と実現可能性を報告した。主要評価項目であるpCR割合を達成した。有害事象は下痢 と好中球減少の発生がやや高く、注意が必要である。現在進行中の第3相試験であるENSEMBLE試験 (jRCTs031220342 / NCT05646511)において、TNTならびにNOMの安全性と有効性を検証していく。

Short-term outcomes of a prospective multicenter phase II trial of total neoadjuvant therapy for locally advanced rectal cancer in Japan (ENSEMBLE-1) Yoshinori Kagawa, Jun Watanabe, Mamoru Uemura, Koji Ando, Akira Inoue, Koji Oba, Ichiro Takemasa, Eiji Oki First published: 11 July 2023 https://doi.org/10.1002/ags3.12715 Yoshinori Kagawa and Jun Watanabe contributed equally to this work as first authors. This study was registered in the Japan Registry of Clinical Trials (jRCT s051200113). Meeting presentation: The 99th Meeting of Japanese Society for Cancer of the Colon and Rectum and the 78th General Meeting of the Japanese Society of Gastroenterological Surgery. SECTIONSPDFPDFTOOLS SHARE Abstract Aim To evaluate the feasibility and safety of total neoadjuvant therapy (TNT) in patients with locally advanced rectal cancer (LARC) in Japan. Methods This prospective, multicenter, open-label, single-arm phase II trial was conducted at five institutions. The key eligibility criteria were age ≥ 20 years, LARC within 12 cm from the anal verge, and cT3-4N0M0 or TanyN+M0 at the time of diagnosis that enabled curative resection. Preoperative short-course radiation therapy (SCRT) 5 Gy × 5 days (total 25 Gy) + CAPOX (six courses) followed by total mesorectum excision (TME) was the treatment protocol. Non-operative management (NOM) was allowed if clinical complete response (cCR) was obtained in the preoperative evaluation. The primary endpoint was the pathological complete response (pCR) rate. Results Thirty patients (male, n = 26; female, n = 4; median age, 62.5 [44–74] years; cT [T2, n = 1; T3, n = 25; T4, n = 4]; cN [N0, n = 13; N1, n = 13; N2, n = 4]) were enrolled. The final analysis included 30 patients in total. The completion rates were 100% for SCRT and 83% for CAPOX. TME and NOM were performed in 20 and seven patients, respectively. pCR was observed in six patients (30% [95% CI 14.0%–50.8%]). The primary endpoint was met. pCR+cCR was observed in 13 (43.3%) patients. There were no treatment-related deaths. Grade ≥3 (CTCAE ver. 5.0) adverse events (≥20%), including diarrhea (23.3%) and neutropenia (23.3%). The median follow-up period was 15.6 (10.5–22.8) months, with no recurrence or regrowth in NOM. Conclusions ENSEMBLE-1 demonstrated satisfactory pCR and cCR, and well-tolerated safety of TNT for patients with LARC in Japan. 局所進行直腸癌に術前治療を強力に行うTotal neoadjuvant therapy (TNT)が、日本人患者でも有効である可能性が明らかとなった。前向き多施設共同フェーズ2試験であるENSEMBLE-1試験で、主要評価項目であるpCR率が事前の設定に到達した。安全性に関しては実施可能で忍容性も高かったが、下痢と好中球数減少が多く認められた。7月12日から14日に函館市で開催された日本消化器外科学会で、大阪急性期・総合医療センターの賀川義規氏が発表した。 局所進行直腸癌に術前治療を強力に行うTotal neoadjuvant therapy (TNT)が、日本人患者でも有効である可能性が明らかとなった。前向き多施設共同フェーズ2試験であるENSEMBLE-1試験で、主要評価項目であるpCR率が事前の設定に到達した。安全性に関しては実施可能で忍容性も高かったが、下痢と好中球数減少が多く認められた。7月12日から14日に函館市で開催された日本消化器外科学会で、大阪急性期・総合医療センターの賀川義規氏が発表した。  ENSEMBLE-1試験は、日本で初めての特定臨床研究によるTNTの臨床試験(jRCTs051200113)。試験の主な適格基準はECOG PS 0-1で年齢が20歳以上、肛門縁から12cm以内、診断時にcT3-4N0M0またはTanyN+M0で根治切除が可能な局所進行直腸癌だった。患者には、短期放射線治療5Gy×5回を行ったあとCAPOXを6サイクル投与し、直腸間膜全切除(TME)を行った。術前治療で臨床的完全奏効(cCR)が得られた場合には手術を行わなずに管理するNOM(non-operative management)も認められていた。主要評価項目はpCR率で、閾値5%、期待値28%と設定されていた。  試験には2022年1月までに30人が登録された。患者の年齢中央値は62.5歳(44-74)、cT2が3.3%、cT3が83.3%、cT4aが10.0%、cT4bが3.3%、cN0が43.3%、cN1が43.3%、cN2が13.3%だった。RAS遺伝子変異型が63.3%、MSI-Hが6.7%だった。

第78回日本消化器外科学会総会

開催概要 開催概要 会長挨拶 会場案内・アクセス リンク SDGsの実現に向けた取り組みについて 関連会合・研究会 取材・撮影希望の皆様へ ポスター・チラシの設置について HOME »  開催概要  »  開催概要 開催概要 第78回日本消化器外科学会総会 開催概要 会期 2023年7月12日(水曜日)~14日(金曜日) 会場 函館市民会館,函館アリーナ,花びしホテル(函館市) 会長 袴田 健一(はかまだ けんいち) (弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座) General Information Date July 12 (Wednesday) - 14 (Friday), 2023 Venue Hakodate Citizen Hall, Hakodate Arena, Hanabishi Hotel Congress President Kenichi Hakamada, M.D., Ph.D. Department of Gastroenterological Surgery, Hirosaki University Graduate School of Medicine Harmony across boundaries. Challenges beyond borders.

開催概要

会期 2023年7月12日(水曜日)~14日(金曜日)
会場 函館市民会館,函館アリーナ,花びしホテル(函館市)
会長 袴田 健一(はかまだ けんいち)
(弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座)

DateJuly 12 (Wednesday) – 14 (Friday), 2023Venue

Hakodate Citizen Hall, Hakodate Arena, Hanabishi Hotel

Congress PresidentKenichi Hakamada, M.D., Ph.D.
Department of Gastroenterological Surgery,
Hirosaki University Graduate School of Medicine