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患者さんとご家族へのお知らせ

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【WEB】日経メディカルに賀川義規医師が掲載されました

2023.07.06

Osaka General Medical Center, Department of Gastroenterological Surgery 大阪急性期・総合医療センター 消化器外科 CONTACT ACCESS 患者さんとご家族へ FOR PATIENTS 診療情報 OUR GROUP 当科のご紹介 ABOUT US 医療関係者の方へ FOR MEDICAL レジデント募集 RECRUIT image-cover賀川義規 手術室 大阪急性期・総合医療センター 消化器外科 大腸癌 大腸がん Yoshinori Kagawa ロボット手術 ISR 肛門温存 da Vinici ダビンチ 名医 大阪 関西 近畿 我々の目指す医療 Home > 診療情報 > 下部消化管外科 > 我々の目指す医療 [最終更新日 : 2022年9月19日] 大腸癌 大腸がん 結腸癌 結腸がん 直腸癌 直腸がん コロレクくん ロボット手術 大阪 消化器外科 ランキング 腹腔鏡手術 目指す医療 われわれ大腸がんケアチームは、すべての患者さんとご家族に「安心・満足」頂ける治療が提供できるように心がけております。皆様が少しでも安心して治療を受けられる事、また1日も早くこれまでの生活にもどって頂ける事を切に望んでいます。 Vision ● 世界の新しいの大腸がん医療を提供する ● 個々の患者さんに応じた治療を実践する Mission ● ひとり、ひとりの患者さんとご家族の安心と満足のいく医療を提供すること ● 先生に出会えて良かった(Happy to meet you, Dr.)と言ってもらえる医療を提供すること  「安心・満足」 我々が考える大腸がん治療の大原則は、患者さんとご家族の安心・満足にこだわった治療を提供することです。 出会えて良かった(Happy to meet you, Dr.)と言っていただけるような医療を心がけます。 化学療法の個別化医療だけでなく、手術の個別化医療を目指します。 1.体にやさしい治療 2.病状に合わせた治療 3.体力に合わせた治療 ブラックジャックを探せ賀川義規医師が日経メディカルに掲載されました。

TNTにより長期予後の改善と直腸温存を目指した第3相試験を日本で実施中

 PRODIGE 23試験もPROSPECT試験も手術を前提としていますが、TNTで高い腫瘍縮小効果が得られれば直腸温存も可能になります。現在、私たちは第III相試験のENSEMBLE試験を行なっており、日本人でのTNTの有効性を評価するとともに、直腸温存のためのバイオマーカーの解析も行っています。試験は局所進行直腸癌(T3-4aN0、TanyN1-2)患者を対象に、短期放射線治療(25Gy/5分割)を行ってからCAPOX6コースを行う群(CAPOX群)と、短期放射線治療(25Gy/5分割)を行ってからCAPOXIRI(CAPOX+イリノテカン)6コースを行う群(CAPOXIRI群)に無作為化割付します。TNT後に再ステージングを行い、奏効が得られた場合は直腸温存し経過観察する非手術管理(NOM)を行います。試験の主要評価項目は臓器保存を含めたDFS(Organ preservation related DFS)であり、登録は順調に進んでいます。また、第3相試験に先立って実施した日本で初めての前向き多施設共同第2相試験でTNTの安全性と有効性を検討したENSEMBLE-1試験の結果は7月の大腸癌研究会と日本消化器外科学会で発表する予定です。

 TNTを行う際に、化学療法が先か、放射線療法が先かという問題があります。National Cancer Data Baseを用いた解析では放射線療法を行なってからの期間が長いほどpCRが得られやすいことが示されています。術前CRTから手術までの時間が8週間を超えるとpCR率が高く、腫瘍のダウンステージングも30日以内に再入院する率も低いと報告されています。累積pCR率は10-11週でピークに達していました(Probst et al.J Am Coll Surg. 2015 Aug;221(2):430-40)。

 またOPRA試験では、化学療法後にCRTを行う群と、CRT後に化学療法を行う群に分けられ、再ステージングして効果があれば経過観察、効果がなければTMEを行いました。その結果、2群のDFS、OSは変わらず、3年無TME生存率はそれぞれ41%と53%でした(Garcia-Aguilar et al. J Clin Oncol. 2022 Aug 10;40(23):2546-2556)。ですから、放射線療法を先行したほうがいいということになります。ENSEMBLE試験も、放射線療法を先に行なって、引き続き3剤あるいは2剤の化学療法を行います。

 実は現在TNTの臨床試験を行なっているアメリカのMemorial Sloan Kettering Cancer CenterとドイツのCAO/ARO/AIO のTNTチームと共同で、統合解析を行う予定もあります。局所進行直腸癌で切除可能であれば手術とTNTですが、放射線療法が要るのか要らないのか、放射線療法が省略できる集団はどういう集団なのか。放射線療法の期間も、より進行度が高いものは長期のほうがよく、そうでないものは短期でいいのではないか、さらにシーケンスも進行度によって放射線療法が先行か、化学療法が先行かということも検討していく必要があります。この3つの研究グループが集まれば、そういった疑問を解決するデータがそろうとTNTの個別化が進むと思います。
大腸癌領域の潮流は周術期に、早期のリスク層別化を

 今年のASCOの大腸癌領域はこれまでになく周術期の話題が多く、外科医にとっては楽しかったですし、大腸癌領域全体が明らかに周術期に傾いているのを感じました。直腸癌に関してはPRODIGE 23試験によってTNTによるOSやDFSの改善が証明され、術前治療で長期予後を改善するというTNTの意義が明確になました。次は、直腸温存に向けて進んでいくということだと思います。

 ただし、放射線療法の功罪はやはりあると思います。手術単独と放射線療法の追加を検討したDutch TME試験で放射線療法により局所制御はできるのですが、TME単独のほうが便失禁は少なく、肛門の粘膜は損失したが肛門失禁は少なかったですし、性機能への影響も少なく、QOLに関しては放射線療法を行わないほうがいいのです。それがPROSPECT試験の背景になっています。何でもかんでもTNTで直腸温存というわけではないことは、私たちも当然知っておかなければいけないことだと思います。

 現在の薬物療法だけではなかなか進行再発大腸癌患者の生存を延ばすことはできません。いかに早く見つけて周術期できちんと治すか。それには早い段階でのリスクの層別化も必要であり、今後はMRI、CT、病理などの画像データやマルチオミクスを活用したバイオマーカーの探索が不可欠になっていくと思います。そういった意味もあり、ENSEMBLE試験では、診断時の生検検体、各ポイントでMRI検査と採血を行い、Pathomics、Radiomics、Genomics、TranscriptomicsのAIを使った統合解析を行なって、診断時にTNTによる長期生存や直腸精度の高いML温存が可能な患者の選択と治療の最適化につなげたいと考えています。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/report/202307/580349.html