【大腸のおはなし59】ロンサーフ+アバスチンの併用療法が、超一流医学雑誌に(SUNLIGHT試験)
2023.05.05
経口抗がん剤「ロンサーフ(FTD/TPI)」と血管新生阻害薬「アバスチン(Bevacizumab)」の併用療法の有効性
日本で開発された治療法
日本で開発された治療法であるロンサーフ(トリフルリジン・チピラシル)とアバスチン(ベバシズマブ)の併用療法が、ヨーロッパを中心とした欧米の臨床第3相試験(SUNLIGHT試験)で証明されました。今後、本治療は世界の標準治療になると考えられます。
SUNLIGHT試験
ロンサーフ(トリフルリジン・チピラシル)とアバスチン(ベバシズマブ)の併用療法が、ロンサーフ(トリフルリジン・チピラシル)単剤療法よりも有意に全生存期間(OS)を延長しました。これを証明した臨床第3相試験であるSUNLIGHT試験の結果が、超一流医学雑誌NEJMに掲載されました。
SUNLIGHT試験は、2つの前治療を行った切除不能な進行・再発の大腸癌を対象に、ロンサーフ(トリフルリジン・チピラシル)とアバスチン(ベバシズマブ)併用療法とロンサーフ(トリフルリジン・チピラシル)単剤療法を比較した国際共同臨床3相試験。492人は併用療法群と単剤療法群に1対1に無作為に割り付けられました。主要評価項目はOSで、併用群の優越性が検証されました。また、重要な副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)で、安全性、忍容性、生活の質(QOL)も評価されています。この結果が、NEJMに2023年5月4日に掲載されています。
ASCO-GI2023でも発表
この結果は、ASCO-GI2023でも報告されています。がんナビをご覧ください。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/202301/578258.html
当センターで導入
大阪急性期・総合医療センターでも、本治療をいち早く導入し実践しています。
NEJM
The New England Journal of Medicine(NEJM)は,200年以上にわたる歴史を有し,世界でもっとも権威ある週刊総合医学雑誌の一つです.医学界のトップジャーナルとして,また情報提供の優れた媒体として,国内外の医師・研究者から高い評価を受けています.(NEJM日本語版HPより)