【論文紹介】直腸癌の最新情報#4
2023.03.06
直腸がんの論文紹介#4
Patterns of Care for Patients With Locally Advanced Rectal Cancer Treated with Total Neoadjuvant Therapy at Predominately Academic Centers between 2016-2020: An NCDB Analysis
アメリカの全米がんデータベース(NCDB)を用いたTNTのトレンドに関する研究です。
LARCに対して、TNTの割合が増加していることがわかりました。
• TNTを受けた患者の割合は、2016年の6.1%から2020年の34.6%に増加
• ショートコースRTの利用率は、2016年の2.8%から2020年の13.7%に増加
NCCNのガイドラインにも記載されているので、今後も増加すると思われます。
2016年から2020年の間に直腸がんと診断された全米がんデータベース(NCDB)からレトロスペクティブに解析。
患者は、遠隔転移、T1-2 N0疾患、病期不詳、非腺癌、直腸以外の部位にRTを受けた、定型的でないRT用量を受けた場合は対象から除外。
対象となった26,375人の患者のうち、ほとんどの患者はアカデミック施設で治療を受けていた(94.6%)。5,030人(19.0%)の患者がTNTをうけ、21,372人(81.0%)の患者はTNTを受けていなかった。TNTを受けた患者の割合は、2016年の6.1%から2020年の34.6%まで、時間の経過とともに有意に増加した(slope = 7.36, 95% CI 4.58-10.15, R2 = 0.96, P = 0.040).最も一般的なTNTレジメンは、化学療法に続いてロングコースCRTであった(2016~2020年の症例の73.2%)。ショートコースRTの利用率は、2016年の2.8%から2020年の13.7%へと有意に増加していました。(傾き=2.74、95%CI 0.37-5.11, R2 = 0.82, P = 0.035)。