【大腸癌医療:No.19】BRAFの免疫染色が可能になりました
2023.03.05
BRAFの免疫染色が可能になりました
BRAF V600E 遺伝子変異は大腸癌の約 5%に認められ、変異陽性の患者は予後不良であることが知られています。BRAF V600E 変異検査は、切除不能進行再発大腸癌患者に対する予後予測に応じた治療選択や切除可能進行再発大腸癌患者に対する再発リスクに応じた治療選択、大腸癌患者に対するリンチ症候群の診断の補助を目的として実施することが推奨されています。本検査は、免疫組織化学染色(IHC)法により、がん組織中の BRAF V600E 変異タンパクの陽性・陰性を判定することが出来るようになりました。
![● BRAF V600Eタンパク(IHC) 大腸癌におけるリンチ症候群の診断補助および化学療法の選択補助に有用な検査です。 BRAF V600E遺伝子変異は大腸癌の約5%に認められ、変異陽性の患者は予後不良であることが知られています。BRAF V600E変異検査は、切除不能進行再発大腸癌患者に対する予後予測に応じた治療選択や切除可能進行再発大腸癌患者に対する再発リスクに応じた治療選択、大腸癌患者に対するリンチ症候群の診断の補助を目的として実施することが推奨されています。 本検査は、免疫組織化学染色(IHC)法により、がん組織中のBRAF V600E変異タンパクの陽性・陰性を判定いたします。広く普及しているBRAF V600E遺伝子検査と本検査の良好な相関性が確認されたことから、同様の臨床的意義にて、新たに保険適用となりました。 ▼疾患との関連 ▼関連する主な検査項目 大腸癌 RAS・BRAF遺伝子変異解析 リンチ症候群 MMRタンパク(IHC)(リンチ症候群) MSI検査(リンチ症候群) ▼検査要項 検査項目名 BRAF V600Eタンパク(IHC) 項目コード 親:0M58 9 BRAF V600Eタンパク(IHC) 子1:0M59 6 判定 子2:0M60 6 医師による判定 検体量 未染標本スライド 4枚 容 器 Z10(t) オブジェクトケース 保 存 方 法 室温保存してください 所 要 日 数 5~10 日 検 査 方 法 免疫組織化学染色法 報告内容 子1 判定:陽性、陰性、判定不能 子2 医師による判定:報告コメントとして判定した医師名を報告します。 検査実施料 1600点 (「N002」免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製「7」×4回分) 判断料 130点(病理判断料) 備 考 &1 ※保険適用条件については「SRL NEWS №2023-001 検査実施料に関するお知らせ」をご参照ください。 <[0M58 9]BRAF V600Eタンパク(IHC)の提出方法> 1) 癌細胞の有無が不明な場合もありますので、検査依頼時に病理診断書(コピー)の添付をお願いいたします。(ただし、当社で一般病理検査を実施している場合は不要です。)なお、諸事情により添付できない場合には、依頼書に病理診断名(組織型等)の他、臨床情報等可能な範囲での記載をお願いいたします。 2) 材料は大腸癌の未染標本スライド(ホルマリン固定パラフィンブロックから作製されたもの)となります。シランなどのコーティングスライドをご使用のうえ、薄切後は約40℃で一晩乾燥させた後、ご提出ください。 3) 組織は4μmの厚さに薄切し、なるべく中央に貼り付けてください。 4) パラフィンブロックでご依頼の場合、未染標本スライド作製のため所要日数が遅れますので、営業員へご確認ください。 5) 組織の固定については、10%中性緩衝ホルマリンが推奨されています。 ●参考文献 名倉 宏,他:渡辺・中根 酵素抗体法 改訂四版(学際企画):147~150,2002.(検査方法参考文献)Dvorak K,et al:Pathol Oncol Res 25(1):349~359,2019.(臨床的意義参考文献)](https://osaka-gs.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/2023022帝塚山大腸癌セミナー-口分田.png)

