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患者さんとご家族へのお知らせ

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【メディア】がんナビに掲載されました

2022.11.12

病院 大阪急性期・総合医療センター 消化器外科 大腸癌 大腸がん 結腸癌 結腸がん 直腸癌 直腸がん ロボット 腹腔鏡 手術 ランキング 名医 賀川 義規がんナビにENSEMBLE試験が掲載されました

局所進行直腸癌に対する放射線治療と化学療法を術前に行うTotal neoadjuvant therapyTNT)として、短期放射線療法とCAPOX療法に対する短期放射線療法とCAPOXIRI療法の優越性を検証する多施設共同無作為化臨床第3相試験であるENSEMBLE試験について (jRCTs031220342) 局所進行直腸癌に対する放射線治療と化学療法を術前に行うTotal neoadjuvant therapy(TNT)として、短期放射線療法とCAPOX療法に対する短期放射線療法とCAPOXIRI療法の優越性を検証する多施設共同無作為化臨床第3相試験であるENSEMBLE試験が11月から開始される。  局所進行直腸癌に対する海外の標準治療は、以前は術前の化学放射線療法(CRT)+直腸間膜全切除(TME)に、術後補助化学療法を加えるというものだった。しかし、局所再発に加えて遠隔再発の抑制が重要なことが分かったものの術後補助化学療法のコンプライアンスが悪いことなどから、放射線治療(CRTの場合もあり)と化学療法を術前に順番に行うTNTが海外の局所進行直腸癌の標準療法となりつつある。  実際に第3相RAPIDO試験で、従来のCRT+TMEに比べて無遠隔再発生存率を有意に改善することが示された。また、中国で行われた第3相STELLAR試験、第3相でTNTの化学療法にmFOLFIRINOXを用いたPRODIGE-23 試験においても、TNTを行うことで病理学的完全奏効(pCR)率が高まり、局所再発率が低減でき、無病生存率や全生存率の改善が得られそうなことが示され、TNTの標準治療としての有効性が確立されつつある。そして現在は、放射線療法の期間や放射線療法と化学療法の順番、TNTによる臓器温存効果の評価を検証する臨床試験が世界で実施されている。  しかし、日本には術前のCRTを行う施設が少なく、TNTの有効性を日本人で評価したデータはないために、日本においてはTNTが行える状況になっていない。ENSEMBLE試験は日本人におけるTNTの有効性を検証するとともに、ゲノム情報などを用いて臓器温存の可否の予測精度の向上につながる情報の探索を目的としている。  試験は、国立がん研究センター東病院の吉野孝之氏、大阪医療センター下部消化管外科の加藤健志氏、大阪急性期・総合医療センターの賀川義規氏、横浜市立大学附属市民総合医療センターの渡邉純氏を研究代表医師として、国内23施設(現時点では、「全ゲノム解析等実行計画」に基づく全ゲノム解析の対象は、ゲノム医療中核拠点病院・拠点病院からの登録症例に限定して実施予定)で実施される。全ゲノム解析等実行計画の全ゲノム解析等に係るAMED研究班(令和3~4年度)のC班出口戦略チームのプロジェクトとして行われ、局所進行直腸癌に対するTNTによる予後の改善と臓器温存を目的とした臨床試験になる。  局所進行直腸癌患者(T3-4aN0、TanyN1-2)608人を、放射線治療(25Gy/5fr)を行ってからCAPOXIRI6コースを行う群(CAPOXIRI群)と、放射線治療(25Gy/5fr)を行ってからCAPOX6コースを行う群(CAPOX群)に無作為に割り付けて行われる。化学療法の後に、直腸診、内視鏡、CT、MRIで再評価を行い手術せずにそのままの臓器温存患者と手術を行う患者に分けて経過を観察する。投薬終了後に複数の放射線科医、消化器外科医並びに腫瘍内科医から構成されたコンサル型の中央委員会における再評価でステージング(cCR、nCRなど)を決め、その情報を基に臓器温存するか手術を行うかを参加施設が各自判断する。  試験の主要評価項目は、臓器保存を含めた無病生存期間(Organ preservation related DFS)。遠隔転移、2次癌、他の癌種の発生などが起きた場合にイベント発生と判断されるが、臓器温存中の再増大時に根治切除ができた場合はイベント発生には含めない。CAPOX群の3年無病生存率を75%と仮定し、CAPOXIRI群のハザード比0.70を達成できた場合に、CAPOXIRIを用いたTNTがCAPOXを用いたTNTよりも優越性を示したことになる。  TNTの全身化学療法の至適レジメンを検証するとともに、既存のデータベースとの比較による長期予後の改善と臓器温存可能な割合がある一定以上達成できれば、日本人患者でのTNTの有効性は十分に示せることになると研究グループは説明した。  なお、ENSEMBLE試験においては、診断時生検検体を用いた全ゲノム解析、リキッドバイオプシーを用いた治療前、再評価時、フォローアップ中のctDNAの全エクソーム/トランスクリプトーム解析を実施、病理・CT/MRI画像との複合解析をAIで行う。従来の研究よりも大量かつ詳細な遺伝子情報を組み合わせることで、現在は精度に限界がある診断時の臓器温存の可否の予測精度を高める因子の同定につなげることを目指している。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/202211/577292.html