【大腸のおはなし35】免疫チェックポイント阻害薬がdMMR直腸がんで著効
2022.08.13
新規免疫チェックポイント阻害薬がdMMR直腸がんで著効
米・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのAndrea Cercek氏らは、ミスマッチ修復欠損(dMMR)を有する局所進行性直腸がんを対象に、新規抗PD-1抗体ドスタリリマブを術前化学療法として6カ月間投与する第Ⅱ相試験(治験)を実施されました。投与後6カ月の追跡を完了した12例全例が完全奏効(がんが消えた状態)を達成し、予定されていた化学放射線療法と手術を施行した症例はいなかったとN Engl J Med(2022; 386: 2363-2376)に報告しました。今後とのフォローアップも重要ですが、治験として実施されたこの治療によって、放射線や手術をしなくても直腸がんを消失させることが出来たとして、CNNニュースやYahooニースでも取り上げられました。今後、日本でも同様の治験が実施され、日本での標準治療になることを期待したいです。(日本では、未だ本治療を受けることは出来ません)