【大腸のおはなし34】MMR検査が薬事承認されました
2022.08.01
ミスマッチ修復タンパクの検査が薬事承認されました
ミスマッチ修復(MMR)タンパクを検出する免疫組織化学染色4項目について、2021年12月17日に製造販売承認を取得しました。ペムブロリズマブに対するコンパニオン診断薬、大腸癌におけるリンチ症候群の診断の補助、大腸癌における化学療法の選択の補助として使用できます。
細胞分裂の過程において、DNAが複製されるときに一定の確率で複製エラーが発生しますが、細胞にはこのエラーを修復するミスマッチ修復(mismatch repair:MMR)機能が備わっています。しかし、このMMR機能が欠損すると、DNA複製時のエラーが修復されず蓄積され、癌化する場合があります。このような癌細胞では、マイクロサテライト(ゲノム上に存在する1塩基から数塩基の反復配列)が通常と異なる反復回数を示しているため、「マイクロサテライト不安定性(MSI-High)固形癌」と呼ばれます。
免疫組織化学染色法(IHC法)によりがん組織中のミスマッチ修復に関与するタンパク、MLH1、PMS2、MSH2、MSH6の発現状況を調べる体外診断用医薬品4品目で、MMR機能欠損(dMMR)判定検査として用いられます。
保険適応間近とされています。