【大腸のおはなし33】HER2陽性大腸がんに対する治療
2022.03.05
HER2陽性大腸がんに対する治療
HER2陽性大腸がんに対する治療が注目されています。
HER2陽性大腸がんは、大腸がんの2~3%と希少なタイプであり、まだ承認薬の存在してません。
国立がん研究センター東病院を中心にHER2陽性大腸がんを対象に抗HER2抗体であるペルツズマブとトラスツズマブの併用療法の安全性と有効性を評価した第2相医師主導治験(TRIUMPH試験、EPOC1602)の結果を発表してきました。
TRIUMPH試験では、標準治療が効かなくなったHER2陽性大腸がん患者を腫瘍組織遺伝子パネル検査とリキッドバイオプシーでスクリーニングしHER2陽性大腸がん患者と診断された患者にペルツズマブ+トラスツズマブ併用療法が実施され、その有効性が示された。
ペルツズマブ/トラスツズマブ併用療法については、この研究成果に基づき、中外製薬株式会社がHER2陽性大腸がんとして2021年4月に承認申請を実施している。