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下部消化管ニュース

下部消化管グループのお知らせ

【大腸のおはなし8】下剤について その1

2021.05.17

第8回 緩下剤について

便秘薬には大きく分けて刺激性下剤と緩下剤の2種類があります。緩下剤は適切な量を毎日使い、それでも効かないときに頓用で刺激性下剤を使うという使い方が基本になります。

今回は緩下剤について

① 酸化マグネシウム
安価で効果が高いことでよく使われる緩下剤ですが、副作用として高マグネシウム血症を起こすことがあります。必ず1日2グラム以下に抑えて服用することに加え、腎機能が悪かったり、高齢の方は減量して使います。定期的な血液検査で血清マグネシウム濃度をチェックして安全を確認しながら使います。

② ルビプロストン
比較的小腸で腸液の分泌を促し、便を軟らかくして自然な排便を促します。酸化マグネシウムのような電解質異常がなく高齢者や腎機能の悪い方でも安心して使えます。また習慣性や依存性もありません。妊婦さんには使えません。服薬初期に吐き気の副作用がでることがありますので、少量から始めれば徐々に慣れてきます。また食後すぐの服用で抑えることができます。

③ リナクロチド
便秘型過敏性腸症候群の治療薬として登場した新薬です。腹痛を伴う便秘症の患者さんに効果があります。便秘の改善に加え、便秘に伴う腹部膨満や腹痛を改善することが期待されます。主な副作用は下痢ですので飲む量を調節することで対処できます。