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患者さんとご家族へのお知らせ

患者さんとご家族へのお知らせ

【新型コロナワクチンとがん治療】抗がん剤中の患者さんへ

2021.04.30

抗がん剤とコロナワクチン接種

一般的に新型コロナ感染症のまん延予防の観点でワクチン接種を前向きに検討していただければと思います。ワクチン接種の案内の内容をよくご確認いただき、ご本人が納得した上で接種を判断していただくことが大切です。

抗がん剤(化学療法)の種類によっても異なりますので、抗がん剤の投与日とワクチン接種日について、受診日に担当医と相談することをお勧めします。

新型コロナ感染症とがん診療についてQ&A

また、日本癌治療学会、日本癌学会、日本臨床腫瘍学会(3学会合同作成)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A −患者さんと医療従事者向けワクチン編 第1版が公開されております。

以下、抜粋になります。参考にしてください。

1)細胞傷害性抗腫瘍薬 (5FU、ゼローダ、オキサリプラチン、イリノテカン、ティーエスワン、パクリタキセル、ジェムシタビンなど)

接種の可否:

細胞傷害性抗腫瘍薬による治療中であってもCOVID-19ワクチン接種は前向きに検討すべ きと考えられます。

接種のタイミング:

細胞傷害性抗腫瘍薬投与中、どのタイミングでワクチンの接種を行うのが望ましいかについては明確なデータはありません。このため現時点では細胞傷害性抗腫瘍薬投与中のどのタ イミングでもワクチン接種を行うこともできますが、もし可能であれば以下のタイミングは避け た方が望ましいかもしれません。

    • ● 細胞傷害性抗腫瘍薬投与日 (制吐剤として使用されるステロイドによるワクチン効果 減弱の可能性)
    • ● 細胞傷害性抗腫瘍薬による骨髄抑制のため白血球数が最小になる時期 (ワクチン効 果減弱の可能性)
    • ● 血小板減少を伴うレジメンでの血小板減少時期 (筋肉注射による血腫のリスクを避け るため)
    • ● 細胞傷害性抗腫瘍薬投与予定日前の 2,3 日以内 (ワクチン接種後 2,3 日は発熱を認 めることがあるため)接種後の注意: 骨髄抑制時期の前後でワクチン接種を行った場合、ワクチン接種の副作用による発熱なのか 発熱性好中球減少症なのかの判断が困難となる可能性があります。発熱性好中球減少症のリスクについては個別の症例で判断する必要がありますが、判断に悩ましい場合には発熱性 好中球減少症として対応することが望ましいと思われます。

2)分子標的薬(アバスチン、サイラムザ、ザルトラップ、ハーセプチン、アービタックス、ベクティビクスなど)

接種の可否:

分子標的薬には小分子化合物、抗体薬など様々なものが含まれますが、一般に分子標的薬 による治療中であっても COVID-19 ワクチン接種は前向きに検討できると考えられます。

接種のタイミング:

    • 分子標的薬の大多数を占める小分子化合物の多くは連日の内服であるため、ワクチン接種 を避けるべき時期は特に想定されません。

 

接種後の注意:
EGFR チロシンキナーゼ阻害薬など特に薬剤性肺炎に注意が必要な分子標的薬投与中にワクチン接種を行い、発熱を認めた場合、ワクチンによる発熱なのか薬剤性肺炎による発熱なのか検査を行わなければ判別がつきにくくなる可能性があります。薬剤性肺炎のリスクは、使用している分子標的薬の種類・使用期間など患者にそれぞれ異なりますので、個々の患者毎にワクチン接種後に発熱した場合の受診のタイミング、分子標的治療薬の休薬の要否など予め想定しておくことが望ましいと思われます。

3)免疫チェックポイント阻害剤 (キートルーダ、オプジーボ、ヤーボイなど)

接種の可否:
免疫チェックポイント阻害薬投与中であっても COVID-19 ワクチン接種は積極的に検討でき ると考えられます。

接種のタイミング:

一般に免疫チェックポイント阻害薬の体内での半減期は長いため、ワクチン接種の効果や安 全性は接種のタイミングには左右されにくいと想定されます。このため現時点では免疫チェックポイント阻害薬投与中のどのタイミングでもワクチン接種を行うこともできますが、もし可能 であれば以下のタイミングは避けた方が望ましいかもしれません。

    • ● 免疫チェックポイント阻害薬投与予定日前の 2,3 日以内 (ワクチン接種後 2,3 日は発 熱を認めることがあるため)

 

接種後の注意: 一部の分子標的薬と同様に免疫チェックポイント阻害薬でも薬剤性肺炎に注意が必要です。こ のため免疫チェックポイント阻害薬での治療中に、ワクチンを接種して発熱を認めた場合、ワク チンによる発熱なのか薬剤性肺炎による発熱なのか検査を行わなければ判別がつきにくくな る可能性があります。薬剤性肺炎のリスクは、患者によってそれぞれ異なりますので、個々の 患者毎に、ワクチン接種後発熱した場合の受診の要否・タイミングについて予め想定しておくことが望ましいと思われます。

詳しくは、日本癌治療学会,日本癌学会,日本臨床腫瘍学会(3学会合同作成)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A-患者さんと医療従事者向けワクチン編 第1版-が2021年3月29日にリリースされています。ご参考にしてください。

https://www.jsmo.or.jp/news/coronavirus-information/qa_vaccinel_3gakkai.html

がん患者さんとコロナワクチン接種の効果と副反応について

2回接種すると効果は健常者と同等という報告が論文に発表されております。詳しくはこちらをご覧ください。

コロナワクチン接種にかかわるQ&A

ワクチン接種にかかわるQ&Aは、厚生労働省のページをご覧ください。わかりやすくまとめてあります。

https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/

 

大阪急性期 総合医療センター 大腸癌