【大腸のおはなし4】大腸の細菌そう
2021.04.19
第4回 大腸の細菌そう
ひとの腸内には、体内に棲む細菌のうち約9割がすみついています。およそ100兆~1000兆個で、種類は約1,000種類、重さにして約1〜2kgと言われています。
大腸にすむ細菌を「腸内細菌」といい、菌種ごとの塊となって腸の壁に隙間なくびっしりと張り付いています。品種ごとに並んで咲くお花畑(flora)にみえることから「腸内フローラ」と呼ばれています。正式な名称は「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」です。
腸内細菌の形成パターンは、一人ひとり異なります。食生活や生活環境も関係しますが、一番大きな影響を与えるものは母親の腸内環境だといわれています。赤ちゃんは生まれてくるときに、母親の産道にある腸内細菌に接触することで細菌をもらい、赤ちゃんの腸内に入り込み、腸内細菌として増殖していきます。腸内フローラの原型は3歳ごろまでにつくられるといわれています。生後、形成された腸内フローラのパターンは生涯変わらないとされ、3歳くらいの時の腸内フローラが最もよい状態だともいわれています。